2018 Fiscal Year Annual Research Report
Drug repositioning approaches for the development of new treatments for Alzheimer's disease
Project/Area Number |
16K08254
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浦野 泰臣 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (00546674)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 脂質代謝 / 細胞死 / ACAT (SOAT) / ドラッグリポジショニング / 24S-hydroxycholesterol |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は目的Iに関して、ヒト野生型APPとNotchのγセクレターゼ基質部分(NotchΔE)が安定的に発現しているCHO細胞株(CHO-APP/NotchΔE)を用いてAmyloidβ(Aβ)産生に対する効果を確認したところ、K-604処理は濃度依存的にAβ産生を抑制するが、γセクレターゼによるNotchΔEの切断には影響を及ぼさないこと、またAPP代謝産物でありγセクレターゼの基質であるC99の量を減少させる効果があることを明らかにした。既に開発済みである経鼻投与法との組合せにより、K-604が脳内のAβ産生を抑制出来る可能性が考えられた。 目的IIの脳特異的酸化ステロールである24S-hydroxycholesterol(24S-OHC)誘導性神経細胞死の誘導機構における小胞体ストレス応答の活性化について、昨年度確認されたPERKやIRE1の活性化に加えてATF6の活性化を確認したところ、予想に反して活性化が起きていないことが明らかとなった。またIRE1の下流シグナルであるXbp-1経路の活性化も確認できなかったことから、小胞体ストレスによる細胞生存のための修復機能が正常に作動していないことが示された。これまで得られた結果と併せて、ACATにより産生される4種類の24S-OHCエステル体が小胞体に蓄積し、小胞体の構造や機能に影響を及ぼすことで、細胞生存ではなく細胞死誘導に向かうシグナル経路が活性化され、細胞死が誘導されることを見出した。またK-604は細胞死誘導シグナルの上流が活性化されることを止めることで、細胞死を抑制することを明らかにすることが出来た。
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