2016 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病に対する細胞移植治療における遺伝学的・薬理学的介入の可能性の検討
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16K08267
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 安彦 京都大学, 薬学研究科, 助教 (60456837)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドパミンニューロン / 神経突起伸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
幹細胞由来ドパミンニューロンの線条体への移植はパーキンソン病の重要な治療戦略として期待される。本年度、ドパミンニューロンによる線条体神経支配に細胞接着因子であるインテグリンα5β1が関与することを報告した(Sci Rep. 2017;7:42111)。インテグリンα5過剰発現ドパミンニューロンを作製するため、恒常発現型プロモーターを用いたインテグリンα5過剰発現ES細胞をドパミンニューロンに分化させたところ、ニューロンへの分化効率の低下が見られた。そこで、ドパミンニューロン分化後に発現するtyrosine hydroxylase (TH)プロモーターを用い、誘導型インテグリンα5過剰発現ES細胞の作製を試みた。THプロモーターの下流にインテグリンα5遺伝子を組込んだベクターをES細胞に導入し、SDIA法により分化誘導した。導入直後は遺伝子の発現が確認されたが、その後維持を続けるうちに再度分化誘導を行っても遺伝子の発現は見られなくなった。これらの結果から、THプロモーターを用いたベクターのES細胞へのランダムインテグレートでは、ES細胞の強い発現抑制機構の働きにより導入遺伝子のサイレンシングが起こったことが示唆される。そこで次に、ランダムインテグレートではなく、目的位置に遺伝子導入できるゲノム編集技術を用いた。Dopamine transporter (DAT)遺伝子にインテグリンα5遺伝子をノックインできるベクターを作製し、CRISPER/Cas9とともにES細胞に遺伝子導入することにした。本年度までのところ、対照ベクターをDAT遺伝子にノックインしたES細胞の作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経分化に影響を与えない幹細胞への遺伝子導入法として、分化誘導後に発現する方策を選択した。具体的な手段として、THプロモーターを用いたランダムインテグレートでは上手くいかなかったため、ゲノム編集によるDAT遺伝子へのノックインに変更することで、迅速に対応し遅れをほぼ取り戻した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度作製したDAT遺伝子にインテグリンα5遺伝子をノックインできるベクターをES細胞に導入し、クローンを得る。ドパミンニューロンへ分化誘導後に導入遺伝子の発現が確認できれば、パーキンソン病モデルマウスに細胞移植を試みる。細胞移植によるパーキンソン病様症状の改善効果と線条体神経支配領域を評価し、インテグリンα5 過剰発現による促進効果を検証する。
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Causes of Carryover |
本年度は、研究全体の初年度であるため、準備段階として次年度以降に使用する細胞の作製を行った。そのため、発表できる成果はなく、旅費予定額を使用しなかった分、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、作製した細胞を使用した本格的な実験に移行する。これにより、前年度に繰り越した分も含めて効果的に使用する予定である。次年度も、研究経費として消耗品類(薬品、培養関係消耗品、実験用動物)の他、学会発表のための旅費を計上する。
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Research Products
(14 results)