2016 Fiscal Year Research-status Report
IL-37およびSIGIRR膜上発現安定化を基盤とした嚢胞性線維症への治療応用
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16K08291
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
首藤 恵子 崇城大学, 薬学部, 助教 (70510692)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CF / SIGIRR / IL-37b / 細胞膜上発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
SIGIRRは細胞外に1つのimmunoglobulinドメインをもつ1型膜貫通蛋白質であり、抗炎症性サイトカインであるIL-37bをリガンドとしてToll-like receptor (TLR)やIL-1R等の炎症性シグナル伝達を抑制する。 本研究課題では、呼吸器感染とそれに伴う慢性気道炎症を主病変とする嚢胞性線維症(CF)の気道上皮細胞に着目し、炎症抑制性IL-37b-SIGIRRがCF病態にどのように関与しているのかその病態生理的役割を解明し、最終的にはIL-37b-SIGIRRを基盤とした新たなCF治療法を模索する。 当該年度においては、正常およびCF由来気道上皮細胞株・初代培養細胞におけるSIGIRR発現とIL-37bの抗炎症作用に関する検討を行った。 まず正常およびCF気道上皮細胞株(C38 vs. IB3;16HBE14o- vs. ENaC-16HBE14o-)における定常状態のSIGIRR発現を比較したところ、全細胞抽出液中でのSIGIRRタンパク質発現は、両細胞間で差異は認められなかったが、CF細胞株においては、SIGIRRタンパク質の細胞膜上発現が正常細胞と比較し著しく低下していた。また、SIGIRRタンパク質の細胞膜上特異的な発現低下はCF由来初代培養気道上皮細胞においても認められた(NHBE vs. DHBE-CF)。更に興味深いことに、TLR3リガンドPoly(I:C)誘導性のIL-8産生は、SIGIRRリガンドであるIL-37b処理により正常細胞株では抑制出来たのに対しCF細胞株では抑制出来なかったことから、CF細胞株ではSIGIRR膜上発現低下に伴うIL-37b応答性の低下が引き起こされていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前の予備検討の結果から予測される結果が出ており、現時点で進捗状況に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCF細胞におけるSIGIRR細胞膜上発現抑制のメカニズムを解明し、平行して正常およびCF細胞におけるIL-37bの細胞内挙動について何か差異がみられるか検討を行う。また、正常およびCFモデルマウスにIL-37bを経気管投与し、抗炎症作用が見られる否か比較する。
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