2016 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛に対する加工ブシの緩和作用とその有効成分の作用メカニズム
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16K08298
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
牧野 利明 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80326561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 匡弘 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (80369173)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 加工ブシ / ネオリン / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、オキサリプラチンをマウスへ腹腔内投与したときに誘導される神経障害性疼痛の症状、機械的アロディニアと冷痛覚過敏それぞれに対して、加工ブシエキスが抑制作用を示すことを明らかにし、その有効成分としてneolineを単離した。Neolineは、既知のブシ含有成分であるが、これまで薬理活性は報告されておらず、ブシの神経障害性疼痛緩和作用における有効成分である可能性が高い。そこで、neolineを新規神経障害性疼痛治療薬として開発すること、またneoline高含有加工ブシの開発を目的にした研究を行った。 マウスにパクリタキセルを投与した後に生じる神経障害性疼痛をvon Frayテストにより評価したところ、neolineは有意な緩和作用を示した。次に、一般的な神経障害性疼痛モデルであるSeltzerモデルによる評価を行うべく、神経部分結紮の手技の習得を目指したが、現在のところまだモデル作りに成功しておらず、薬物の評価以前の段階である。 次に、日本で市販されている加工ブシ製剤全種類中のneolineの含量をLC/MS/MSを用いて定量した。その結果、その含量にはメーカー間で約3倍の差があることが明らかになった。Neolineは非エステル型のアルカロイロであり、修治方法による違いでは日本薬局方ブシ2で低値を示す傾向があった一方で、修治前後での含量の差は認められなかったことから、neolineはもともとトリカブト根に含まれている化合物であり、修治により生じる化合物ではないことが推定される一方で、ブシ2での修治方法では分解してしまう可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Seltzerモデルの作成技術習得に時間がかかり、まだneolineの評価が出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Seltzerモデルの確立とneolineの評価を急ぐ。また、neolineのNav1.7阻害作用の確認、neolineの体内動態パラメーターの測定を行う。
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Research Products
(2 results)