2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a strategy for Alzheimer's disease therapy by agent to control function and differentiation of microglial subtypes
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16K08328
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
川原 浩一 新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (10347015)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 1型ミクログリア / GPNMB / アルツハイマー病 / 記憶障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、我々が最近同定した1型ミクログリアのマーカー分子 (GPNMB, glycoprotein non metastatic melanoma protein B, 特許第4815610号) が、アルツハイマー病 (AD) モデルマウスの病態の進行に伴い、どのような役割を果たすのかを調べた。GPNMBのin vivoでの役割を解明するために、Gpnmb遺伝子欠損マウスを開発した (GLIA, 2016)。APP23マウスとGpnmb+/-マウスを交配させることで、9月齢のAPP23;Gpnmb+/-, APP23;Gpnmb+/+, Gpnmb+/-, および野生型 (WT) マウスを作出した。空間認知能力は、モリス水迷路試験 (MWM) を用いて調べた。MWMのtraining trialにおいて、9月齢のAPP23;Gpnmb+/-マウスは、APP23;Gpnmb+/+マウスよりも空間学習障害が改善される傾向にあった。また、MWMのprobe testにおいて、APP23;Gpnmb+/+マウスの記憶保持力には障害がみられたが、APP23;Gpnmb+/-マウスの記憶保持力はWTマウスと同程度であり正常であった。Gpnmb+/-マウスの記憶保持力は、WTマウスと同程度であった。以上より、1型ミクログリアに発現するGPNMBは、AD病態 (空間認知障害) の悪化に関与する可能性が初めて明らかとなった。本研究はGPNMBがアルツハイマー病の記憶障害に寄与する分子であることを初めて示唆するもので、今後より詳細な分子機序の解明や適切な治療薬の開発を検討するための第一歩である。
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Research Products
(6 results)