2016 Fiscal Year Research-status Report
機能分子トレーサー創製のための高速付加環化反応による環状内炭素の11C標識法
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16K08339
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
張 周恩 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (00416207)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PETイメージング / 医薬品化学 / 有機化学 / 環状内炭素の11C標識法 / [11C]tetrazole / [11C]triazine / [11C]シアン標識法 |
Outline of Annual Research Achievements |
陽電子放射断層撮像(PET)は生理機能や病態画像診断、創薬マイクロドーズ研究などに極めて有効な分子イメージング技術である。この技術を広く活用するために、新たなトレーサー標識法の開発と多彩な生体機能性分子のPETトレーサー化がますます重要になっている。今までほとんどのPETトレーサーは、脂肪鎖もしくは芳香族環上の置換基に[11C]メチル基、[11C]カルボニル基、又は[18F]フルオロ基を導入することで合成されたものである。さらに多様なPETトレーサーを開発するために、環状化合物の環内炭素の11C標識法が強く望まれる。 今年度の研究成果は以下で纏めます。(1)ボロン酸誘導体を前駆体とする官能基許容性に優れた[11C]シアン標識法を確立し、多彩な構造を持つ[cyano-11C]ニトリルの高速高効率合成を実現した。Pd(II)を介して[11C]NH4CNとボロン酸誘導体の反応はわずか5分で放射性変換効率(RCY)は最高98%まで向上した。(2)ニトリルとトリメチルシリルアジド(TMSN)の[3+2]高速付加環化反応を最適しました。TBAFを活性剤として反応混合物に添加することで5分以内に付加環化反応が完結し、tetrazoleの収率98%に達した。更に該高速付加環化反応を参考して、(1)の[11C]シアン標識法で得た[cyano-11C]ニトリルはTMSNと反応させて、tetrazole環の環内炭素11C標識することはOne-pot法で実現出来ました。[11C]NH4CNに対する[11C]tetrazoleのRCYは最高95%に達した。(3)[cyano-11C]ニトリルを活用して、triazine環の環内炭素11C標識する反応も見つけました。今後はこられの手法を活用し、新たな生体機能性分子のPETトレーサーを創出し、PETイメージング応用研究の推進に貢献する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ボロン酸誘導体を前駆体とする[11C]シアン標識法を確立した。該[11C]シアン標識法で得られた[cyano-11C]ニトリルを放射性前駆体とし、tetrazole環環内炭素の11C標識法の最適化時間は予定以上かかりました。Tetrazole環を持つ機能性PETトレーサーの開発はやや遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は見つけたtetrazole環とtriazine環の環内炭素のC-11標識法を更に高効率して、生体機能性分子のPETトレーサーの合成へ応用する。
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Causes of Carryover |
[cyano-11C]ニトリルを放射性前駆体とし、tetrazole環の環内炭素のC-11標識法を最適化は予定以上の時間をかかりましたため、tetrazole環を持つ機能性PETトレーサー合成の試薬費とHPLCカラム費は来年度へ譲渡する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
[11C]Tetrazoleの標識法を確立しましたので、今年はtetrazole環を持つ機能性PETトレーサーの開発を推進します。昨年度残られた費用は引き続き機能性PETトレーサー合成の試薬費とHPLCカラム費として使います。
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