2016 Fiscal Year Research-status Report
結核菌の生菌特的な宿主細胞に対する細胞傷害活性の解析
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16K08346
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Research Institution | 0082801 |
Principal Investigator |
瀧井 猛将 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 抗酸菌部 結核情報科, 副部長 (80244573)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 結核菌 / 細胞傷害活性 / 病原性 / 抗菌ペプチド / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
結核菌はヒト線維芽細胞株,及びヒトマクロファージに対して生菌特異的に細胞傷害活性を持つことを見出している (Takii, et al., J Interferon Cytokine Res. 2001).感染した宿主細胞の培養上清を濾過滅菌した試料には細胞傷害活性が認められることから,培養上清に含まれる細胞傷害活性因子,及び,抗菌活性物質を同定するために結核菌感染細胞の培養上清を回収し,各種カラムにより分離精製を進めている. この培養上清は抗菌作用も示すことから新たな生体防御機構であることも示唆された.今後、活性分画のLC/MS/MSによる解析とライブラリーからの物質の推定を計画している. 本活性は結核菌の強毒株に強く認められるが,弱毒のワクチン株であるBCGには認められない(Takii, et al., J Interferon Cytokine Res. 2001).BCGは強毒株であるウシ型結核菌と比較してゲノム中に欠落した領域があることが報告されている(Mahairas, et al.J Bacteriol. 1996).上記のことから,結核菌強毒株の宿主細胞傷害活性は病原性に関係した遺伝子の欠落と関係していることが示唆される.そこで現在,結核菌の強毒株にトランスポゾンを感染させて遺伝子を欠落させた変異体の作成を試みている.今後変異体を用いて細胞傷害活性に関連した遺伝子の同定と機能解析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスポゾン変異体の作成に時間がかかっているため.
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Strategy for Future Research Activity |
活性分画のLC/MS/MSによる解析とライブラリーからの物質を推定する. 結核菌の強毒株にトランスポゾンを感染させて遺伝子を欠落させた変異体を用いて細胞傷害活性に関連した遺伝子の同定と機能解析を行う.
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