2017 Fiscal Year Research-status Report
結核菌の生菌特的な宿主細胞に対する細胞傷害活性の解析
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16K08346
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Research Institution | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
Principal Investigator |
瀧井 猛将 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 抗酸菌部, 主任研究員 (80244573)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 結核菌 / 細胞傷害活性 / 病原性 / 抗菌ペプチド / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
結核菌は,宿主細胞に対して生菌特異的に細胞傷害活性を持つことを見出している (Takii, et al., J Interferon Cytokine Res. 2001).さらに,感染した宿主細胞の培養液の濾過にも細胞傷害活性が認められることから,培養上清に細胞傷害活性因子が含まれていることが示唆された. 本年度は,細胞傷害活性物質の同定を進めた.ヒト肺由来線維芽細胞株MRC-5細胞,もしくはヒト末梢血をM-CSFでマクロファージに分化誘導したM-MφにM. tuberculosis H37RvをMOI 10-50で感染させ,3-4日間培養後,培養液を0.22μmのフィルターでろ過し,菌体の混入を除いた.培養濾液をODS(C-18)カラム(TOSOH TSKgel Octadecyl-2PW)にてアセトニトリル0-75%の勾配で1分毎に分画し,各画分をMRC-5の細胞傷害活性を指標に活性画分を特定した. 各画分に含まれるタンパク性因子をMSライブラリーにより推定した.各画分の抗菌活性についてはコロニーアッセイにより活性を検定した. LC-MS/MSによるマスコット解析の結果,結核菌感染宿主細胞からは抗菌ペプチドに類する成分や結核菌のトランスポーターによって排出される基質成分が含まれていることが示唆された. 結核菌感染宿主細胞の培養上清は結核菌に対して弱い抗菌活性をもつことから,推定された抗菌ペプチドは抗菌活性に関与する成分であることが示された. トランスポーターによって菌体外に排出される成分が実際に培養上製中に存在,宿主細胞傷害活性に関与しているのか,否かについては今後検証を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結核菌トランスポーターは複数存在し,そのうちの1つを欠失した変異体を得ることができたが、他のトランスポーターの変異体の作成が得られていない. 感染培養上清中の活性成分の精製と同定については、LC-MS/MSによるマスコット解析による成分の推定まで進んでいるが、推定された成分の同定と活性の検証がされていない.
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Strategy for Future Research Activity |
トランスポーターを欠失した変異体の作成を進める. マスコット解析で推定された成分の同定と活性の検証を行う.
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Causes of Carryover |
購入予定の機器(超音波破砕機)の製造が遅れたため.
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[Presentation] Comparable study between BCG Tokyo 172 type I and type II against Oxidative Stress2018
Author(s)
Keiichi Taniguchi, Yuji Miyatake, Saki Suda, Daisuke Hayashi, Shouta Ogawa, Haruka Tomita, Miki Tokuda, Saburo Yamamoto, Kikuo Onozaki, Takemasa Takii
Organizer
The 52nd US-Japan Mycobacteria Panel Meeting 2018 in Niigata, Japan.
Int'l Joint Research
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