2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on comprehensive diversity analysis of siderophore and its application to growth culture of refractory bacteria
Project/Area Number |
16K08355
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
河村 好章 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (80262757)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シデロフォア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間を通して、グラム陽性・陰性の約400株についてシデロフォア産生の有無についてスクリーニングしたところ、グラム陽性菌で24.1%、グラム陰性菌で51.8%の菌株がシデロフォアを産生していることが分かった。これまでグラム陽性菌はCAS培地に含まれる発育阻害物質により発育できず、シデロフォア産生の簡便なスクリーニングは難しかったが、我々が開発したHybrid-CAS培地により、測定可能となった。なお、3年目の課題であった、試験菌株数の増加については、残念ながら菌株保存機関との調整が進まず、実施できなかった。しかしながら、多くのグラム陽性菌もシデロフォアを産生していること、これまで知られていなかったシデロフォアを産生する嫌気性菌も見出すことができ、新知見を得ることができた。 環境から分離した菌株の中にもシデロフォアを産生している株が多数存在していた。系統解析の結果、既存菌種に当てはまらない菌株を見出し、そのwhole genome sequenceを決定したところ、新菌種であることを確定した。現在新種提案の準備を行っている。また当該菌が産生するシデロフォアの分子種を決定するため、鉄キレート剤であるChelex100で鉄除去を行った培地で大量培養を行い、その培養上清からシデロフォア含有画分を抽出精製し、NMRによる測定を行っている。現在のところ十分な精製ができておらず、分子種を特定するには至っていないが、一連の分析方法については確立、修得することができた。 当初計画に比べ十分な成果が得られたとは言い難いが、上述のようないくつかの新知見を見出すことができた。
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