2017 Fiscal Year Research-status Report
腸管免疫を介する細胞性免疫賦活能の解析-汎用的経口アジュバント開発を目指して-
Project/Area Number |
16K08361
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
黒川 昌彦 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (80186527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 渡 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (50399218)
杉田 千泰 九州保健福祉大学, 薬学部, 助教 (70632694)
吉田 裕樹 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (90469411)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞性免疫 / 経口アジュバント / 腸管免疫 / ウイルス感染 / サプリメント / Th1サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ウイルスとは異なる抗原を認識する腸管免疫系を介して、種々のウイルス感染に対する細胞性免疫を賦活化できる汎用性のある経口アジュバントの開発に繋げることである。この考えは、従来の体液性免疫賦活作用の強いワクチンの概念とは異なり、腸管免疫系が微生物に特有かつ共有の構造を認識し、Th1免疫反応を強く誘導することができることに由来している。この系が立証できれば、ウイルス感染症の予防・治療に偉大な貢献が可能である。昨年度明らかにした経口投与による細胞性免疫賦活作用を示す3種のサプリメント(乳酸菌06CC2株、プロポリスAF-08、モリンガ葉水抽出エキス)の中で、今年度はモリンガ葉水抽出エキス中の有効成分としてγ-アミノ酪酸を明らかにした。すなわち、γ-アミノ酪酸の経口投与により、HSV-1経皮感染マウスで脾臓免疫細胞でインターフェロンγの誘導レベルが上昇し、CD8やCD4T細胞ポピュレーションの割合が増加することより、細胞性免疫が賦活化されることを明らかにした。しかし、腸管免疫に大きな役割を示すパイエル板中免疫細胞に関しては、十分な結果が得られなかった。また、他の2種類(乳酸菌06CC2株、プロポリスAF-08)の有効成分については今だ明確な結論が得られていない。したがって、次年度は、1.3種のサプリメント(乳酸菌06CC2株、プロポリスAF-08、モリンガ葉水抽出エキス)の有効成分解析と2.γ-アミノ酪酸の経口投与による細胞性免疫賦活作用をパイエル板中の免疫細胞の解析を進展させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に3種のサプリメント(乳酸菌06CC2株、プロポリスAF-08、モリンガ葉水抽出エキス)の経口投与によりそれぞれHSV-1経皮感染マウスで細胞性免疫を賦活化し、局所でのウイルス感染細胞排除に有効であることを明らかにした(Phytother Res., 30,797-804, Eur J Med Plants, 16, 1-10, 2016,Int. Immunopharmacol., 39, 320-327, 2016)。今年度はモリンガ葉水抽出エキス中の有効成分であるγ-アミノ酪酸の経口投与による細胞性免疫賦活作用の証明とパイエル板中の免疫細胞の解析に時間がかかり、他の2種(乳酸菌株とプロポリス)中のγ-アミノ酪酸含量等の成分解析には至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的である、1.3種のサプリメント(乳酸菌06CC2株、プロポリスAF-08、モリンガ葉水抽出エキス)の有効成分解析と2.γ-アミノ酪酸の経口投与による細胞性免疫賦活作用をパイエル板中の免疫細胞の解析を進展させる予定である。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Perinatal exposure to tetrabromobisphenol A (TBBPA), a brominated flame retardant, exacerbated the pneumonia in respiratory syncytial virus (RSV)-infected offspring mice2017
Author(s)
3)Watanabe W, Hirose A, Takeshita T, Hashiguchi S, Sakata K, Konno K, Miyauchi A, Akashi T, Yoshida H, Sugita C, Kurokawa M.
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Journal Title
Toxicol Sci
Volume: 42
Pages: 789-795
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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