2016 Fiscal Year Research-status Report
Thrリン酸化によるErbBフィードバック制御解明によるがん分子標的薬耐性克服
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16K08366
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
河崎 優希 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (30432107)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | チロシンキナーゼ型受容体 / シグナル伝達 / ErbB / がん分子標的薬 / 獲得耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
チロシンキナーゼ型受容体のErbBファミリーは、がん細胞の増殖を担う。ErbBの活性変化は、がん分子標的薬であるErbB-チロシンキナーゼ阻害剤(ErbB-TKIs)感受性や獲得耐性に大きく影響する。本研究では、肺がんや乳がんなどのがん細胞おけるErbB下流のERK経路を介したErbBフィードバック制御の分子メカニズム解明および獲得耐性との関連を解明することにより獲得耐性克服を目指している。このフィードバック制御では、膜近傍領域のスレオニン(EGFR Thr-669、ErbB2 Thr-677)がリン酸化されることによりチロシン自己リン酸化が抑制される。これまでにRNAiや阻害剤を用いた機能阻害によりチロシン脱リン酸化酵素の探索を行い、フィードバック制御を担うチロシン脱リン酸化酵素の候補を複数見出した。ErbBスレオニンリン酸化によるチロシン脱リン酸化酵素との相互作用変動などによるフィードバック制御の可能性から、現在さらに検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2ヶ月間の海外出張のため研究開始が遅れ、予備的検討が進んでいたメカニズム解析を先行して行った。次年度にはがん細胞変異を有するコンストラクトを用いたフィードバック解析を進め、当初の目的を達成する。
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Strategy for Future Research Activity |
チロシン脱リン酸化酵素の活性変化やErbBとの相互作用変動の解析などからフィードバック制御の分子メカニズムを解析するとともに、その他制御因子の関与を調べる。がん細胞変異型ErbBコンストラクトを用いてフィードバック制御を実証する。
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Causes of Carryover |
本年度始めに2ヶ月間海外出張のため研究開始が遅れ、迅速な研究遂行を目指し予備的検討が進んでいたメカニズム解析を優先的に行ったことで、物品費が低くおさまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
がん変異型ErbBコンストラクトを用いたフィードバック制御の実証およびフィードバック制御のメカニズム解明に必要な物品費に充てる。
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Research Products
(7 results)