2018 Fiscal Year Research-status Report
Thrリン酸化によるErbBフィードバック制御解明によるがん分子標的薬耐性克服
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16K08366
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
河崎 優希 高崎健康福祉大学, 薬学部, 講師 (30432107)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ErbBファミリー / フィードバック / リン酸化 / セリン/スレオニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スレオニン(Thr)リン酸化によるErbBフィードバック制御解明を目的とし、これまでにErbBファミリーのErbB2とErbB3のヘテロダイマーにおいて、ErbB2の膜近傍領域のThr-677リン酸化によるフィードバック制御の解析などを進めてきた。平成30年度は、ErbB4におけるフィードバック制御の解析を中心に行った。EGFRホモダイマーおよびErbB2/ErbB3ヘテロダイマーでフィードバック制御を担うErbBファミリー間で保存された膜近傍領域のThrに相当するErbB4のThr-674がMEK-ERK経路依存的にリン酸化されることによりErbB4の自己リン酸化チロシンが抑制されるフィードバック制御が明らかとなった。また、ErbB4のセリン(Ser)-1026リン酸化によるフィードバック制御も新たに明らかとなった。さらに、がん変異型ErbB4(P1033S)においてはフィードバック制御が減弱したことから、フィードバック制御のがん細胞における恒常的なチロシン自己リン酸化への関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ErbB4における膜近傍領域Thr-674およびSer-1026のリン酸化によるフィードバック制御を見出すとともにがん変異型ErbB4のフィードバック制御に与える影響を明らかとし、研究成果を国際誌に論文投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
ErbBファミリーにおいて、がん変異型ErbBにおけるフィードバック制御を解析するとともに、ErbBファミリーフィードバック制御の分子機構を解析し、ErbBチロシンキナーゼ阻害剤に対する獲得耐性に及ぼす影響を解明する。
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Causes of Carryover |
平成30年度に研究代表者の所属機関が変更となり研究実行に必要な準備等が必要であったため研究遂行に時間を要し次年度使用が生じた。次年度は、がん変異型ErbBのフィードバック制御解明およびフィードバック制御の分子機構解明のために使用する。
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Research Products
(3 results)