2017 Fiscal Year Research-status Report
ADCCを介した腫瘍特異的抗体療法における制御因子の解明と抗がん作用増強への応用
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16K08372
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 真治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 助教 (00403717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 安彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (70274199)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 抗体医薬 / ADCC |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性胸膜中皮腫に代表される難治性固形がんは既存の治療法に抵抗性であるため、今後の予後改善のため腫瘍特異的抗体療法などの新規治療法の開発が求められている。腫瘍特異的抗体療法の主たる作用機序は抗体依存性細胞障害活性(antibody-dependent cellular cytotoxicity:ADCC)であり、様々な制御因子によってその活性誘導が制御されていると考えられているが、その詳細な機序はいまだ不明である。本研究では以前に我々がADCC活性を介して抗腫瘍効果を発現することを明らかにした抗ポドプラニン抗体を使用した評価系を用いることにより、ADCC活性の制御因子を解明し、治療への応用の可能性を検討することを目的としている。平成28年度における検討で、抗がん剤によりポドプラニンの発現が抑制されることが認められた。抗原となる標的分子の発現量変化は、抗体医薬の効果発現に大きな影響を与えると考えられる。臨床上、抗体医薬と抗がん剤の併用投与が行われる可能性は高く、併用により抗腫瘍効果の減弱が引き起こされることは難治性固形がんの治療において大きな問題となることが考えられる。したがって平成29年度は、ADCC活性誘導に対する抗がん剤処置の影響について検討を行った。その結果、抗腫瘍効果が得られる最小濃度の抗がん剤の処置ではADCC活性誘導に影響を与えないことが明らかとなった。また、抗体投与時に発現上昇が認められた炎症性タンパク質についても検討を行ったところ、このタンパク質の処置により、ADCC活性誘導に関連するマウス免疫細胞の遊走が増強される傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画ではADCC活性誘導に影響を与える因子を同定し、in vitroの実験系で検討を行った後に、平成29年度以降にマウスモデルを用いたin vivo実験系でさらなる検討を行う予定であった。しかし、候補因子の同定に時間を要したため、in vitroにおけるADCC活性に対する詳細な検討を継続して行っている。またin vivo実験においては、本研究で使用するマウスモデルを確立するための条件設定を継続して行うとともに、プレリミナリーな検討を開始している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにADCC活性に影響を与えることが予想される候補因子を同定し、in vitroにおいても各候補因子のADCCに与える影響について検討が進んでいる。したがって、平成30年度は引き続きin vitroにおける詳細な検討を行うとともに、ADCCによる抗腫瘍効果を評価できるマウスモデル系において、各候補因子の抗腫瘍効果に対する影響について検討していく予定である。具体的には、in vitro実験系において標的となるがん細胞に対してADCC活性を誘導する抗ポドプラニン抗体と免疫細胞を処置する際に、ADCC活性の制御に関わることが予想される候補因子を加えることで、ADCC活性がどのように変化するか様々な条件で検討を行う。また、in vivo実験系においてはin vitro実験の結果を基に、腫瘍移植マウスモデルに対する抗ポドプラニン抗体の抗腫瘍効果に候補因子がどのような影響を与えるか測定することにより、今後の難治性固形がんに対する治療への応用の可能性について検討を行う。現時点で本研究の進捗状況はやや遅れ気味であるが、in vitroおよびin vivoの基本的な実験系はすでにわれわれの研究グループで確立されたものであり、条件設定をしっかり行うことで、本研究のさらなる進展を図っていく。
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Causes of Carryover |
(理由)実験計画ではADCC活性誘導に影響を与える因子を同定し、in vitro実験系で検討を行った後に、マウスモデルを用いたin vivo実験系でさらなる検討を行う予定であった。しかし、候補因子の同定に時間を要したため、in vitroにおける各候補因子のADCC活性に対する影響についての詳細な検討が継続中であり、マウスモデルを用いた検討はプレリミナリーな段階である。したがって、当初の計画よりin vivo実験の回数が少なくなったため、次年度使用額が生じることとなった。 (使用計画)平成30年度はin vitroにおける詳細な検討を継続して実施するとともに、マウスモデルを用いた検討を推進する予定である。これまでの実験の結果、本検討で使用するマウスモデルはほぼ確立できたため、in vivoにおける検討の実施において大きな障害は無いと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Antitumor activity of chLpMab-2, a human-mouse chimeric cancer-specific antihuman podoplanin antibody, via antibody-dependent cellular cytotoxicity.2017
Author(s)
Kaneko MK, Yamada S, Nakamura T, Abe S, Nishioka Y, Kunita A, Fukayama M, Fujii Y, Ogasawara S, Kato Y.
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Journal Title
Cancer Med.
Volume: 6
Pages: 768-777
DOI
Peer Reviewed
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