2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation mechanism of cell senescence by orphan transporter
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16K08373
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 慎悟 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (20466535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オーファントランスポーター / 定量プロテオーム解析 / がん / 細胞増殖 / 細胞浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「機能未知オーファントランスポーターSLC22A18は細胞老化と炎症を制御する鍵分子である」ことを解明することを目的とした。これまでにSLC22A18の発現増加が細胞老化を促進させることを見出してきている。細胞老化とがん化は密接に関係していることから、SLC22A18発現低下は細胞老化を抑制して細胞のがん化を促進させることが考えられた。そこで本年度は、SLC22A18を発現するヒト乳がんMCF7細胞およびヒト肝細胞がんHepG2細胞にSLC22A18 shRNAを遺伝子導入してSLC22A18遺伝子ノックダウン細胞を樹立し、細胞機能変化を定量プロテオーム解析に基づく分子生物学的手法を用いて解析した。その結果、MCF7細胞ではSLC22A18をノックダウンすることによって約30%の細胞質タンパク質の発現量が有意に変動した。この中で、SLC22A18ノックダウンによって最も発現が増加したAnnexin A8は細胞増殖を促進させることが報告されているが、SLC22A18ノックダウンMCF7細胞の細胞増殖は有意に増加しており、この増殖増加はAnnexin A8のノックダウンによって有意に減少した。HepG2細胞ではSLC22A18ノックダウンによって約30%の細胞質タンパク質が変動した。その中には、細胞浸潤に関わる分子が多数含まれていたため、HepG2細胞の細胞浸潤を検討したところ、SLC22A18ノックダウンによってHepG2細胞の細胞浸潤は有意に増加した。以上の結果から、SLC22A18の発現低下は細胞のがん化増加させることが示された。これまでの研究成果と合わせると、SLC22A18は細胞の老化とがん化の制御に関与する分子であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)