2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on reduction of patient burden in cancer immunotherapy using intranasal administration of immunostimulant
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16K08386
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
古林 呂之 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00399156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大輔 就実大学, 薬学部, 助教 (50550620)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | α-galactsylceramide / 鼻腔内投与 / 頸部リンパ節 / 脂肪乳剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度のα-galactsylceramide(GalCer)製剤化検討において、懸濁液やシクロデキストリン製剤、プルロニック等の界面活性剤に比べて良好な培養細胞層透過性を示した脂肪乳剤化GalCerについて、マウスへの鼻腔内投与を実施した後の免疫活性を実験的に調べた。脂肪乳剤の処方は市販品(イントラリポス)を基本に、脂質をsoybean oil、乳化剤をlecithin(最終的にマウス投与に用いた脂肪乳剤の脂質比率1:0.12または1:1)とし、最終濃度が2.25%となるように調製したグリセリン水溶液を用いて超音波型ホモジナイザーにより水中油型に乳化した。GalCerは予め脂質成分中に溶解した。各脂肪乳剤をマウスの外鼻孔から投与し、4時間後の血清中及び頸部リンパ節中サイトカイン(インターフェロン(IFN)-γ、(インターロイキン(IL)4、IL12)量の変化を観察した。対照群には静脈内投与及び腹腔内投与とし、また、GalCerを含まない空の脂肪乳剤を鼻腔内投与した。その結果、脂肪乳剤(脂質比率1:0.12)を投与した群において、血清中及び頸部リンパ節中IFN-γ及びIL12には有意な上昇は認められなかったが、IL4の血清中濃度が対照群に比べて有意に上昇することが明らかとなった。また、2、3日ごとに4回繰り返し投与した後のサイトカインの誘導について検討したが、いずれの脂肪乳剤においても有意な効果は認められず、投与量や投与間隔などの条件のさらなる検討と改善が必要と考えられた。しかしながら、脂肪乳剤化GalCerの単回投与時の結果から、GalCerによる免疫賦活化における鼻粘膜を介した頸部リンパ節へのGalCer送達ルートの有用性が示されたと考えられる。
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