2016 Fiscal Year Research-status Report
新規パーキンソン病進行抑制薬開発の非臨床POC試験
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16K08389
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
田崎 嘉一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60374807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 直也 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (20431398) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 新規パーキンソン病治療薬 / オキシカム系NSAIDs / 神経細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オキシカム系医薬品のパーキンソン病モデルにおける神経細胞死抑制作用を検証することを目的とし、特に免疫組織学的なドパミン神経細胞死抑制作用を評価する系の構築を行っている。ドパミン神経毒であるMPTPを、C57BLマウスに投与してドパミン神経のある黒質緻密部と線条体を含む脳組織切片を作製し、チロシン水酸化酵素(TH)による染色などを行ってドパミン神経の細胞死を確認している。これまでのところ神経細胞死は確認できるが、どの場所での比較が良いのかなどの条件検討を行っている。MPTPについては、製造メーカーによって、マウスの死亡例が多く出てしまう場合があり、現在の投与量・投与期間(30mg/kg, 1日1回, 5日間)を最適化する必要も考えられる。文献的にも死亡例を減らすいくつかの方法が知られており、試してみる必要があると考えられる。本動物実験系での効果検証が前臨床POC試験として考えているため本実験系の構築に全力をあげる。 一方で、細胞系を用いたオキシカム系医薬品のドパミン神経細胞死抑制作用のメカニズム探索を行っている。Akt活性化に関連した分子をいくつか見出しており、現在再現性などを含めた検証実験を行っているところである。ある受容体阻害薬が、メロキシカムによる神経細胞保護作用を阻害することを見出しているが、その受容体下流のシグナルが変化しているか、また受容体を遺伝子的に減少させた場合にメロキシカムの効果はなくなるかなど確認する必要があり、現在検討を始めるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも述べたように、試薬の製造者間でのバラつきにより、本来検討すべき対象にはなっていない急性毒性による死亡例が多く出てしまっており、きちんとした評価を行うことができていない。これまでに、ここまでの死亡例は経験したことがなく、MPTPだけでなく、マウスのブリーダーの問題もあると考えられる。文献的に死亡例を回避する方法も報告されているので、MPTPの投与量・投与期間を調整することも検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
上記に記した現状の課題を克服し、マウスにおける免疫組織学的評価法を確立する。さらに、オキシカム系医薬品の作用メカニズムについては、いくつか候補も見つかっているので、検証をこれまでの実施計画に従って進めていく。
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Causes of Carryover |
実験自体は、評価系の問題により費用がかかっている。しかし、物品費は予定を少し上回った支出である。実験補助者が見つからなかったため、謝金を物品費に流用させていただいている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験等で試薬を多く購入する必要があるので、そちらに使用する。引き続き実験助手は探している。
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