2017 Fiscal Year Research-status Report
内因性ピリドキサミン-アルデヒド付加体の探索:酸化ストレスマーカーとしての評価
Project/Area Number |
16K08391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 宣和 東北大学, 薬学研究科, 助教 (60519776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 知行 東北大学, 薬学研究科, 教授 (10203712)
佐藤 涼 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20757166) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Oxidative stress / Lipid peroxidation / Pyridoxamine / Mass spectrometry / Protein modification |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質過酸化物由来の反応性アルデヒド(4-oxo-2(E)-nonenal, ONEおよび 4-hydroxy-2(E)-nonenal, HNE)による、ヒト血清アルブミン(HSA)修飾に対するピリドキサミン(PM)の阻害効果
1. HSAとONEあるいはHNEの反応において、Lys残基が両者で主な修飾部位であり、修飾されるアミノ酸残基の数はHNEがONE より多かった。 一方、アスコルビン酸存在下のHSA とリノール酸の過酸化物(13(S)-hydroperoxy-9,11(Z,E)-octadecadienoic acid, 13-HPODE)の反応では, 修飾されるアミノ酸残基の数は、ONE(10 Lys, 3 His, 2 Arg)がHNE(8 His, 2 Lys)よりも多く、両者の反応性の差によるものと示唆された。
2. PM濃度の増加に伴い、全てのPM-ONE/HNE付加体の増加が見られた。 MSにおけるPM-ONE 付加体のピーク強度は、大きなものからPO1、 PO7(=PH2)、 PO8の順であり、PM濃度の増加に伴うタンパク質修飾の減少も認められた。とりわけ、K162/K190/K525へのONE修飾は、濃度依存的であった。これに対し、 HNEによる修飾では、この様なPMの濃度依存性は認められなかった。その結果、 PMがONEを選択的に捕捉する事で、過酸化脂質由来のタンパク質ダメージを緩和する事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、ONE/HNE由来のHSA修飾を同定した。更にHSAとONE/HNEの反応をPM存在下でも行い、主な PM-ONE/HNE 付加体とHAS修飾の関係を明らかにした。加えて13-HPODE から生成する反応性アルデヒド類(ONE、 HNE 以外も含む)によるHSA修飾も、同様にPMにより阻害される事を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 酸化ストレス条件下で細胞実験を行い、細胞内タンパク質のONE/HNE由来の修飾を明らかにする。 2. PM存在下、細胞をONE/HNEで処理し、主なPM-ONE/HNE付加体を明らかにする。 3. PM存在下、細胞を酸化ストレス条件で処理し、PM-ONE/HNE付加体とタンパク質修飾の関係を明らかにすると共に、PMによるタンパク質ダメージの阻害効果を明らかにする。
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