2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of motivational neural circuit using intracranial self-stimulation behavior in rats
Project/Area Number |
16K08403
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
千堂 年昭 岡山大学, 大学病院, 教授 (30437561)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 脳内自己刺激行動 / p38 MAPK |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度の研究成果より明らかとした報酬関連行動による神経細胞の構造変化に着目し、神経モデル細胞における細胞内伝達経路の解明を行った。 研究条件を明解にするために、報酬関連行動として脳内自己刺激行動(レバー押し行動)を15分間行わせて快情動を惹起したラットを実験に供した。なお、脳内電気刺激の条件は脳内自己刺激行動のRunway法の報酬刺激と同様である。また、対照群として拘束ストレスを与え不快情動を惹起させたラットおよび無処置ラットを用いた。これらの動物より得られた血液成分をPC12変異細胞の培地に注入して反応を確認した。 その結果、快情動を供与したラット血液はPC12変異細胞の細胞突起を無処置ラットと比較して大きく伸長させた。一方、不快情動を供与したラット血液によっても細胞突起の伸長は確認されたが、その程度は快情動供与ラットよりも小さかった。 また、細胞突起の伸長に関わる細胞内伝達経路について評価したところ、快情動供与ラットの血液を加えた細胞ではp38 mitogen-activated protein kinase経路の活性化およびExtracellular Signal-regulated Kinase経路の関与が認められた。しかしながら、不快情動供与ラットの血液ではこのような変化は認められなかった。 以上のことから、快情動および不快情動はともに神経突起を伸長させるが、細胞内伝達経路は異なることが明らかとなった。
|