2017 Fiscal Year Research-status Report
かかりつけ薬剤師に求められるコミュニケーション・スタンダード(PCS)の構築
Project/Area Number |
16K08417
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後藤 惠子 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (40434047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 悦子 北里大学, 薬学部, 准教授 (60220240)
富澤 崇 城西国際大学, 薬学部, 助手 (00398562)
野呂瀬 崇彦 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (30433452)
沼田 千賀子 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (80582808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | かかりつけ薬剤師 / コミュニケーションスキルトレーニング / コンピテンシー / ルーブリック / アセスメント / ファシリテーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、かかりつけ薬剤師が目指すべき到達レベルとしての「Pharmaceutical Communication Standard (PCS)」を構築する。さらに、PCSに対する薬剤師の到達度を客観的に評価するためのツール「PCSルーブリック*」および、同ルーブリックを活用したPCS アセスメント、ファシリテーター養成標準プログラムを構築し、“かかりつけ薬剤師”のコミュニケーション力向上への寄与を目的とする。 2017年度は、かかりつけ薬剤師に求められるコミュニケーションコンピテンシーとしてPCSを構築した。PCSは、「基本行動」「対人行動」「問題解決行動」「多職種連携」の4領域で10のコンピテンシー、40のサブコンピテンシーとして整理された。 PCSトレーニングプログラム開発に向けて、コンピテンシーをカバーする6つの課題を設定した。昨年の「残薬」「ポリファーマシー」に続き、新たに「多職種連携」「お薬手帳」「感情への対応」「がん患者」を追加し、それぞれのシナリオとルーブリックを準備した。 また、ルーブリック評価体験セミナーを実施し、ルーブリックへの理解を促すとともに、「残薬」ロールプレイシーンの動画を資材としたルーブリック評価にもトライしてもらった。最後にルーブリックを用いた形成的評価の実際をモデリングで示し、PCSアセスメントの全容を把握してもらった。参加者アンケートからルーブリックの精度を上げるための意見を収集し、ルーブリック修正に反映した。 ルーブリック*:学習到達度を示す評価基準を観点と尺度からなる表として示したもの
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅れていた多職種フォーカスグループインタビューの実施・分析を終え、2017年度に予定された①かかりつけ薬剤師に求められるコミュニケーション・スタンダード(Pharmaceutical Communication Standard: PCS)を構築し、その構築過程と完成したPCSを学会発表した。 この他、②PCS の到達度評価基準の構築を目的としたルーブリック作成ワークショップは、一歩進んだ形の「ルーブリック評価ワークショツプ」として実施。③PCS ルーブリックを用いたPCSアセスメントの試行も行い、全て滞りなく実施された。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年にあたる2018年度は、①ファシリテーター養成標準プログラムの構築、②全国のモデル地区におけるPCSアセスメントの実施、③PCS ルーブリックおよびPCSアセスメントの普及を目的とした広報ツールおよび情報発信のためのウェブサイト整備を実施予定である。2年間の活動経験から、より効率よく事業展開を図るために、計画の一部変更を行うことにした。②PCSアセスメントの開催は、東京近郊の1箇所とし、その代わりに、①構築されたファシリテーター養成標準プログラムに基づくファシリテーター養成セミナーと②PCSアセスメントセミナー(ACST: Advanced Communication Skill up Training)を連動させ、①で養成したPCSファシリテーター候補者に②のセミナーで実際にファリテーターを体験してもらうことで、ファリテーターとしての学びを深め、自信をつけてもらうようにする。このファシリテーターを中心した全国展開を企図する。また、③使い勝手の良いウェブサイトを整備することで、全国展開の基盤を整える。
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Causes of Carryover |
本年度のルーブリック評価体験セミナーで用いたロールプレイ動画を専門家に依頼の予定であったが、役者を協力研究者が担い、VTR撮影・編集を研究分担者の研究室の研究員が担ったことで、経費の節減が可能となった。節減できた分は、今年度経費と合わせて、ウェブサイドの作成に用いる。ウェブサイドで掲載予定の動画は半永久的に視聴される可能性があるために、専門家に依頼し、質の高いものを残す予定である。 また、よんどころない理由により会議を欠席したメンバーがおり、その交通費が次年度に繰り越されることになった。
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Research Products
(3 results)