2018 Fiscal Year Research-status Report
味受容機構を利用したバイオセンサの開発と製剤設計への応用
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16K08425
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
吉田 都 武庫川女子大学, 薬学部, 准教授 (20369028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 享弘 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (70203536)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 苦味評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においてヒト苦味受容体cDNAをHEK293細胞に導入し、平成29年度においてはhTAS2RおよびVSOP1をそれぞれ強制発現した細胞系を作製した。更に細胞培養用シャーレにDioctylphenyl phosphateを可塑剤として加えたPhosphoric acid didodecyl esterをコーティングした上にコラーゲンを重層し、乾燥させた。このシャーレにヒト苦味受容体hTAS2Rと膜電位依存性プロトンチャネルVSOP1を共発現した細胞を播種、培養しセンチップに固定した。苦味を呈する医薬品との定量的な結合を、苦味を呈する医薬品溶液と接触する前と接触後の膜電位の変化で評価する。これは、苦味を呈する医薬品を口に含んだ時に感じる苦味(先味)として評価する。苦味を呈する医薬品溶液を洗浄した後もさらに膜電位変化を評価した。苦味受容体および電位依存性プロトンチャネルを共発現させた細胞を用いたバイオセンサによる医薬品の苦味評価方法の確立を目的として、既知の苦味を呈する医薬品について、バイオセンサの出力値より、先味と洗浄後10、20、30、60、120、180、240、300秒後の後味を評価し、先味と各時間における後味の比から吸着性の時間依存的変化を検討した。平成30年度は、バイオセンサとしての測定方法の確立のための第一段階として、基準物質としては、キニーネ塩酸塩を用いて時間依存的苦味受容反応の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年は、バイオセンサとしての測定方法の確立のための第一段階として、基準物質としては、キニーネ塩酸塩を用いて時間依存的苦味受容反応の評価を行ったが、値のバラつきが大きく、バイオセンサの測定方法の確立までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオセンサの出力は確認できているが、バラつきが大きいため、安定した出力が得られる細胞を厳選する。苦味受容体hTAS2Rと苦味を呈する医薬品との結合によるものであることを明らかにする必要があるため、SPRを用いてHEK293細胞上に発現した苦味受容体hTAS2Rと苦味を呈する医薬品の結合性を評価する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の出産に伴い、研究期間の延長を申請し承認頂いている。膜電位を評価したため、バイオセンサの出力は確認できており、測定方法の確立を行う。また、苦味受容体hTAS2Rと苦味を呈する医薬品との結合によるものであることを明らかにする必要がある。そのため、SPRを用いてHEK293細胞上に発現した苦味受容体hTAS2Rと苦味を呈する医薬品の結合性を評価する。
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