2017 Fiscal Year Research-status Report
副作用情報の共有及びフィジカルアセスメントの技術向上の為の症例体験システムの構築
Project/Area Number |
16K08430
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
徳永 仁 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (60369171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 徳人 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20369169)
佐藤 圭創 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (00315293)
緒方 賢次 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (90509580)
瀬戸口 奈央 九州保健福祉大学, 薬学部, 助教 (50551305)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フィジカルアセスメント / 症例 / ICT / e-ラーニング / 教材 / 副作用 / 体験 / 広報活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、副作用情報の共有およびフィジカルアセスメントの技術向上の為の症例体験システムの構築を目指している。平成29年度は昨年度に引き続き、症例体験システムの構築を行うための情報収集を目的に研修会や学会に出席し、フィジカルアセスメントに関する教授法をはじめICTを活用したe-ラーニングシステムについての理解を深めた。また、症例体験システムを構築するために薬剤師が実際に体験した副作用情報を共有できる新たな情報収集システムの開発を行った。さらに、新たな情報収集システムを薬剤師に周知するために周知目的のクリアファイルを作成し研修会や学会などで広報活動を行った。 (1)症例体験システムの構築を行うための情報収集:様々な研修会や学会に出席し、e-ラーニングシステムを開発している専門家や新たな教授法を実践している教員との意見交換を行った。それにより症例体験システムの構築に向けて具体的な構想を練ることが出来た。 (2)薬剤師が実際に体験した副作用情報を共有できる情報収集システムの開発:日本病院薬剤師会が作成した3種類のプレアボイド報告書と医薬品医療機器総合機構が作成した医薬品安全性情報報告書を参考に独自の副作用の発見または薬効の確認に関する症例情報用紙を作成した。症例情報用紙はフィジカルアセスメントに関する約30個の項目からなる。この用紙を専用ホームページ上でダウンロード可能にした(https://telemedica.jp/tokunaga)。 (3)新たな情報収集システム周知のための広報活動:新たな情報収集システムを薬剤師に周知するために周知目的のクリアファイルを2000部作製した。この新たな情報収集システムについては、薬剤師会主催の研修会や医療薬学フォーラム、日本在宅薬学会や医療薬学会などの学会で発表を行い、日本薬剤師学術大会においても会場にて広報活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の平成28年度計画では、(1)副作用発現・症状変化をパソコンまたは携帯型端末で再現するバーチャル患者のシステム構成の確立、(2)専用サーバー確保による入力・体験・学習システムの構築、(3)副作用発現・症状変化を再現するバーチャル患者のシナリオ作成・入力・確認を予定していた。また平成29年度計画では、(4)双方向型シミュレーション教授法(ホームページまたはアプリ)の公開、(5)アンケート調査による問題点の収集を予定していた。しかしながら、情報収集と意見交換に追われ、平成29年度では(1)、(2)と(4)について遂行するに留まった。なお(2)の専用サーバーの確保は、費用の面から困難であることが分かり、これまでに我々が平成24年度から26年度の科研費で作成した“バーチャルフィジカルアセスメント”を公開している(株)テレメディカが開発したPBLメーカーを使用させていただくことになった。なお、このシステムは無料で使用することが出来る。現在、(4)に対応する症例体験システムを構築するために薬剤師が実際に体験した副作用情報を共有できる新たな情報収集システムの開発と公開までは行うことが出来た。今後、早急に(3)と(5)を推進できるように努めたい。なお(3)について遅延している理由は、研修会や学会などで情報提供のお願いを呼び掛けてはいるが、なかなか周知されていないことと考えている。クリアファイルを作成し、情報提供に工夫も行っているが、受け身では情報が集まらないことを痛感している次第である。よって、能動的に薬剤師への課題作成を依頼したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)副作用発現・症状変化を再現するバーチャル患者のシナリオ作成・入力・確認:これまでに我々は各都道府県薬剤師会、日本薬剤師会または日本病院薬剤師会などとの共催でフィジカルアセスメント研修会を実施してきた。これらのネットワークを最大限に活用し、薬剤師への課題作成を依頼する予定である。 (2)アンケート調査による問題点の収集:薬剤師が実際に体験した副作用情報が集まっておらず公開が出来ていないためアンケート調査の実施は困難であると考えているが、我々側でも公開しているホームページ上の問題点を抽出し、それらの改善を図る予定である。 (3)ホームページのバージョンアップ:上記(2)の計画によって収集された問題点や新たな症例についても、薬剤師である共同研究者らの意見を集約しながら改善および作成を行い、共同研究者である本学医師の監修を得ながら追加と修正を行う。また、新たに入力された症例についても数ヶ月単位で定期的に吟味、調査を行い、バーチャル患者を作成し新たな追加症例として定期的に配信する予定である。常時、ホームページに関する重要な問題点(使用上の不具合やシナリオの妥当性)が発見された場合は、早急に研究分担者またはホームページ開発業者との協議の上、修正を図る予定である。
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Causes of Carryover |
理由:直接経費(その他)として予算を組んでいた「ホームページ制作(症例情報収集機能設定費用)」は使用したが、「ホームページ更新費用」は進捗状況の遅れにより使用出来なかった。なお「バーチャルペイシェント作成費用」は既存の(株)テレメディカが開発したPBLメーカーを使用させていただくことになったため使用の予定はなくなった。
使用計画:「バーチャルペイシェント作成費用」は既存の(株)テレメディカが開発したPBLメーカーを使用させていただくことになったため使用の予定はなくなったが、既存のシステムにはないバーチャルペイシェントのパーツやイラスト作成には費用が発生する可能性が十分にあると考えている。次年度は研究計画の遅れを取り戻し、副作用発現・症状変化をパソコンまたは携帯型端末で再現できるホームページの公開が出来るように研究経費を適正に使用していきたい。
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Remarks |
この頁は情報提供のお願いのみで、最終成果物ではありません。
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Research Products
(5 results)