2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of Cxxc5 functions during vaginal development
Project/Area Number |
16K08436
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
原田 理代 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80555756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膣 / 中腎傍管 / 中腎管 / Cxxc5 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性膣欠損症は不妊の原因であり、症例が多く報告されているが、先天性膣欠損症の病態解析や膣発生機構に関する知見は少ない。本研究は、Cxxc5欠損マウスの膣形成不全がどのようなメカニズムで発症するのかを解析することで、Cxxc5が関与する新たな膣発生分子機構を明らかにすることを目的とした。 平成28、29年度の研究で、Cxxc5は雌性生殖管原基である中腎傍管と、雄性生殖管原基である中腎管で発現しているが、中腎管特異的Cxxc5欠損雌マウスは正常に膣が形成され、中腎傍管特異的Cxxc5欠損雌マウスは膣形成不全になることが分かっていた。 平成30年度は、新たに、中腎傍管特異的Cxxc5欠損雄マウスも不妊になること判明し、その原因は中腎傍管特異的Cxxc5欠損雌マウスと同様の中腎傍管伸長停止である可能性が示唆された。中腎傍管で発現するCxxc5がどのような分子機構で中腎傍管伸長を制御しているのか、Cxxc5の標的分子の同定に取り組んだ。CXXC5はWnt/β-Cateninシグナルを負に制御することが報告されているので、Wnt/β-Cateninシグナルを正常マウスと比較したが、差が無かった。そこで、網羅的にCxxc5の標的分子を探索するために、Cxxc5欠損雄マウス胚、Cxxc5欠損雌マウス胚、中腎傍管特異的Cxxc5欠損雄マウス胚、中腎傍管特異的Cxxc5欠損雌マウス胚について、レーザーマイクロダイセクションで中腎傍管先端部を切り出し、RNA-シークエンスによる全転写産物の定量に取り組んだ。RNA抽出まで完了しており、今後、シークエンスによりCxxc5の標的分子を抽出する。 本研究により、中腎傍管に発現するCxxc5が中腎傍管の下端の伸長に貢献し、膣形成に必要であることを明らかにした。中腎傍管の下端伸長に関与するCxxc5の標的分子の同定は今後の課題となった。
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