2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the new functions of the clustered protocadherins in nerve terminals
Project/Area Number |
16K08437
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
目黒 玲子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30251804)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視神経 / 生後発達 / Shivererマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞は、クラスター型プロトカドヘリンという細胞接着に関わるタンパク質を特異的に発現しているが、この機能的意義については未だ不明な点が多い。 我々は、このプロトカドヘリンのαタイプを除去したマウスで、視神経の神経終末が形態異常を示すこと、およびこの異常が開眼直後の生後15日-19日から生じることを見出した。視神経の髄鞘形成は開眼直前の生後12日頃から始まるが、先天性髄鞘機能不全マウス(シバラーマウス)の視神経においては、生後15日-19日、αタイプは増強している(正常マウスでは減少)。このようなαタイプが増強している神経と、その髄鞘を形成するオリゴデンドグリアなど神経周囲のグリア細胞との関わりを検討するため、シバラーマウス視神経の髄鞘形成期のグリア細胞について免疫組織化学的検索をおこなった。 シバラーマウスのオリゴデンドグリアは、先天的に髄鞘の主要タンパクを発現できないが、それ以外の髄鞘のタンパク(CNPaseなど)の発現は正常で、このCNPaseの発現時期が正常と同様に生後10日-12日(開眼直前)であることがわかった。よって髄鞘形成開始は正常であると考えられた。オリゴデンドグリアの細胞数は生後12日以降徐々に増加し、20日頃には正常の1.4倍となった。 ミクログリア、これは遊走性の高い脳の免疫担当グリアだが、生後12日以降急増し、20日頃には正常の4.5倍存在することが明らかとなった。非貪食形態である棍棒状の細胞が多く、その体軸と同方向に多数の突起を有し、オリゴデンドグリアと接触していたり、神経線維束の中へ突起を伸ばしていたりしていた。貪食マーカー陽性の細胞は少なかった。発達期、髄鞘機能不全に反応するミクログリアの新たな機能が形態的に示唆されたが、今後、オリゴデンドグリアあるいは神経線維への具体的な作用の解明が期待される。
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