2017 Fiscal Year Research-status Report
全胚3D蛍光トラッキング法を用いた中内胚葉誘導因子の活性定量と細胞運命の追跡
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16K08456
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
近藤 晶子 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (90396838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
備瀬 竜馬 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00644270)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 三胚葉形成 / Nodal / zebrafish |
Outline of Annual Research Achievements |
分化誘導因子Nodalはその濃度と作用時間により、中胚葉と内胚葉の予定細胞への分化を誘導する。しかし胚の個々の細胞での、Nodalシグナルの時間変化と分化運命の関係の詳細は不明な点も多い。そこで本研究では、中内胚葉誘導でのNodalシグナルの強度・作用時間・分化運命の関係を調べることを目的とした。ゼブラフィッシュ胚・中内胚葉誘導時のNodalシグナルの活性化を可視化するためには、Smad2-Smad4複合体形成を二分子蛍光補完法で検出するプローブを用い、光シート顕微鏡でタイムラプス撮影し、その蛍光シグナルの核移行度合いをNodalシグナル活性化の指標とした。得られたタイムラプス画像において、個々の細胞を三次元追跡し、蛍光シグナルの核移行度合いの時間変化を調べることで、個々の細胞におけるNodalシグナル活性化の時間変化を追跡した。 本年度は、個々の細胞におけるNodalシグナル活性化の時間変化を比較し、特徴の抽出を試みた、また、胞胚期の細胞の分化運命を調べるため、内胚葉分化マーカーsox17のレポーターゼブラフィッシュ胚を、胞胚期後期から原腸胚期まで光シート顕微鏡で撮影し、Nodalシグナル活性化プローブと同様に、得られたタイムラプス画像から予定中内胚葉領域の細胞の3次元追跡を行った。 今回の解析では光シート顕微鏡を用いることで、先行研究と比べて、より広い領域での解析が行えるようになった。胚の異なる領域にある細胞を比較することや、三次元的に移動する細胞においてもNodalシグナルの時間変化を解析することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個々の細胞でのNodalシグナルの時間変化データを、胚の光シート顕微鏡画像から抽出するためには、細胞を3次元追跡し、蛍光輝度値を定量する必要があり、画像解析の検討および実施に時間を要した。さらに、細胞の位置・運動などの挙動の特徴を比較するために比較方法の検討が必要で、予定より時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに検討したNodalシグナルの可視化条件を用いて、Nodalシグナル活性化の時間変化が、細胞のその後の挙動とどのような関係にあるか解析する。個々の細胞の胚における位置(背側・腹側など)によっての違いにも着目して解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、画像の定量結果からのコンピューターを用いたデータ解析を中心に進めた。データ解析に必要な機器・ソフトウェアがそろったため、次年度使用額が生じた。今後、データ解析で得られた結果のin vivoでの検証を、次年度使用額を用いて行う予定である。
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Research Products
(2 results)