2016 Fiscal Year Research-status Report
多角的解析法により明らかにするTBCタンパク質を介した細胞性免疫制御機構
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16K08468
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
江上 洋平 香川大学, 医学部, 助教 (80432780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
川合 克久 香川大学, 医学部, 助教 (80534510)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TBC蛋白質 / マクロファージ / phagocytosis / Small GTPase / ライブセルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
<TBC1D10B蛋白内のファゴサイティックメンブレン局在化領域と貪食抑制領域の決定> ファゴゾーム形成時におけるTBC1D10B蛋白内の形質膜局在化領域や貪食抑制に重要なドメインは不明である。そこで、全長798aaのTBC1D10Bの様々な欠失変異体発現ベクターを構築した。具体的には、TBC1D10AやTBC1D10Cとアミノ酸配列の相同性がないTBC1D10Bにユニークな領域(1-227aa)、TBCドメインを含んだ領域(228-631aa)、TBC1D10BのC末端領域(632-798aa)、さらにこれらの領域の組み合わせからなる1-631aa、228-798aaのGFP融合欠失変異体(野生型、並びにRab GTPaseに対するGAP活性変異体)を作成し、これらの細胞内局在をコンフォーカル観察した。その結果、TBCドメインを含んだ228-631aaの領域が形質膜への局在に重要であることが明らかとなった。また、このGFP融合欠失変異体は形質膜に加えて核への局在化を示したが、TBC1D10Bの1-227aaの領域付与により、核への移行が消失し、形質膜と細胞質へ局在を変化させることがわかった(1-227aaの領域は核外移行シグナルを有するものと考えられる)。次に、これらの変異体をマクロファージに過剰発現させ、貪食活性の定量化を行ったところ、TBC1D10B蛋白の228-631aaの領域が低分子量GTPaseに対するGAP活性非依存的に貪食抑制を示すことがわかった。以上の結果は、TBC1D10BのTBCドメイン領域近傍がファゴサイティックメンブレンへの局在化と貪食抑制に重要であることを示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TBC1D10B蛋白内のファゴサイティックメンブレン局在化領域と貪食抑制領域を決定することができ、Yeast two hybridスクリーニングを行う上での基盤が確立できたことから上記の判断とした。
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Strategy for Future Research Activity |
TBC1D10B蛋白の228-631aaの領域が、低分子量GTPaseに対するGAP活性非依存的な貪食抑制に重要であることから、この領域をbaitとして用いて、Yeast two hybrid法による結合蛋白質のスクリーニングを行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験試薬の納品が4月以降(次年度)であり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り助成金を使用していく予定である。
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Research Products
(2 results)