2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K08469
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鯉渕 信孝 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (30456131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅裕 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00360660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心臓 / 心室筋 / 分化 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
Hey2は心臓の心室に特異的に発現している転写因子である。申請者を含む内外の研究により、心室筋の分化・成熟を支配していており、心臓の正常な形成に必須な遺伝子の一つであることが明らかとなっている。しかしHey2単独では、心室筋の分化・成熟を保証するマスター遺伝子としての機能はない。つまりHey2の生理活性を調整している他の転写因子群の存在が予想される。本研究目的はHey2と協調して作用する転写因子群を明らかとし、その機能、発現パターンを解析することによって心室筋の分化・成熟のメカニズムの解明を目指すことである。 Hey2会合遺伝子の探索のため、妊娠12.5日後、妊娠13.5日後、妊娠14.5日後、妊娠15.5日後等の異なる時期の心室から抽出したmRNAを用いたDNA Chipの解析で網羅的に時期の違いによる遺伝子の発現の変動パターンのデータを得た。それらのデータをもとに妊娠13.5日後から上昇している遺伝子の探索を行った。まず、候補となる遺伝子の発現の変動をrealtime PCRを行い、実際に妊娠13.5日後から発現が上昇しているのかを確認した。さらにin situ hybridizationを行い、異なる時期での心室での発現パターンの確認を行った。 それらの結果、3つの候補遺伝子を得ることができた。今後は、心室筋を培養して候補遺伝子の強発現およびノックダウン実験を行い、実際に心室筋の分化・成熟のメカニズムに関与しているのかを確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年前の地震のにより実験機器が破損して、当初予定していたタンパク質からの解析からmRNAを用いた解析に切り替えた。29年度も引き続き、mRNAを用いた解析を行った。 心室から抽出したmRNAを用いたDNA Chipで解析で網羅的な時期の違いによる遺伝子の発現の変動パターンのデータを得た。それらをもとに妊娠13.5日後から上昇している遺伝子の探索を行った。まず、候補となる遺伝子の発現の変動をrealtime PCRを行い、実際に妊娠13.5日後から発現が上昇しているのかを確認した。さらにin situ hybridizationを行い、心室での発現パターンの確認を行った。それらの解析の結果複数の候補遺伝子を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、心室筋を培養して候補遺伝子の強発現およびノックダウン実験を行い、心室筋の分化・成熟のメカニズムに関与しているのかを確認する予定である。さらにノックアウトマウスを用いて、詳細な解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の方法を一部変更したため、予定より実験が進んでいないので、使用金額が少なかった。来年度は詳細な研究を進める予定なので、使用金額は増加すると思われる。
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Research Products
(3 results)