2018 Fiscal Year Annual Research Report
The macro clustering and the driving force of the sliding rafts with viruses
Project/Area Number |
16K08477
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
野村 隆士 藤田医科大学, 医学部, 講師 (20325161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向後 晶子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20340242)
下村 敦司 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (50340237) [Withdrawn]
塚本 健太郎 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80434596)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | コロナウイルス / カベオラ / CD13 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルスの細胞への感染初期過程を知ることは,ウイルス感染の防御法,治療法などを考える上で重要である。感染初期過程には大きく「吸着」と「侵入」の2つのステージがあると考えられている。「吸着」は,細胞膜上にある特異的レセプターにウイルスが結合することを意味する。「侵入」には大きく2つの経路が提唱されており,(1)細胞のエンドサイトーシスを利用して侵入する経路と,(2)細胞膜とウイルスエンベロープとの膜癒合により侵入する経路である。この吸着,侵入に関しては,これまで様々なウイルスに対してその詳細が報告されているが,吸着部位と侵入部位は 暗黙的に“同じ”であると考えられている事例が多い。研究者らはヒトコロナウイルスの一種は細胞膜に吸着後,細胞膜上をカベオラまで滑走し,カベオラから細胞内に侵入することを見出し,吸着部位と侵入部位とが異なる事例があることを報告した。 一般的に,ウイルスが細胞膜上に吸着する際,ウイルス粒子1個あたりに対し,多数のウイルスレセプターをウイルス直下に架橋することが想定される。そこで,ヒトコロナウイルス-229EのレセプターであるCD13をウイルスの代わりに抗体で架橋し,その抗体の動態を解析した。架橋CD13は細胞膜上で直線的な配向を示しながらクラスタリングする像が認められた。この配列が起こる原因として,アクチンフィラメントによる可能性を考え,その動態を観察したところCD13と同様の現象を認めた。重合阻害剤などの結果から,CD13のクラスタリングは,アクチンフィラメントとの関与が示唆された。しかし,実験に使用していた細胞は株化細胞ではないこともあり,同様な現象が観察できる他の株価細胞を探したがまだ見つかっていない。また多重蛍光標識ウイルスの作成は,パッケージングの際に蛍光標識タンパク質が支障をきたすようで,難しいことがわかった。
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Research Products
(4 results)