2018 Fiscal Year Annual Research Report
The role of primary cilia on cell to cell communication in pancreatic islets
Project/Area Number |
16K08488
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
向 英里 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (60362539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞間情報伝達 / インスリン分泌 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖の恒常性は膵β細胞から分泌されるインスリンによって厳密に保たれており、血糖上昇に応じた適切な時期かつ量の分泌応答が重要となる。インスリン分泌を機能とする膵β細胞は、細胞凝集体である膵島として外分泌組織の中に散在している。膵島を単一細胞にすると分泌制御応答が極度に減弱することから、膵島を構成することで必要に応じたインスリン分泌応答が発揮される。しかしながら、そのβ細胞の均一でかつ瞬時な協調的反応を担う詳細な制御メカニズムはいまだ不明である。一方、一次繊毛は細胞膜上に生えた小器官であるが、近年細胞外のシグナルを細胞内へ伝達する化学および機械的センサーであることがわかってきた。本研究では、その高度な制御機構を担うβ細胞間コミュニケーション因子として一次繊毛に着目し、膵β細胞における一次繊毛の機能的ならびに形態学的役割を明らかにし、一次繊毛の生理的意義を解明することを目的として研究を行う。最初に膵島組織ならびに膵β細胞株における一次繊毛の発現を免疫染色にて確認した。また膵β細胞株における単層培養でのグルコース応答性インスリン分泌が、擬膵島にすることでグルコース応答機能が高まることが確認できた。さらに、単離膵島、膵β細胞株単層培養および膵β細胞株擬膵島における一次繊毛関連因子やGPCRの発現についてreal-time PCRにより検討したところ、単層培養より擬膵島で発現が亢進している因子がいくつかあることが示された。また、擬膵島におけるインスリン分泌においては、一次繊毛シグナル阻害によりグルコース応答性が低下することが示された。一次繊毛上にはGPCRであるソマトスタチン受容体が局在しているが、ソマトスタチンによるインスリン分泌抑制を検討したところ、単層培養より擬膵島でその抑制は増加した。このように、隣接するβ細胞間での機能的同調作用に一次繊毛が関与していることが示された。
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Research Products
(8 results)