2017 Fiscal Year Research-status Report
Cav1.2チャネルの活性とカルモジュリン結合部位との機能的相関の解明
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16K08499
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
蓑部 悦子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00448581)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カルモジュリン / ATP / カルシウムチャネル / パッチクランプ法 / inside-out / カルシウム / Cav1.2 / run-down |
Outline of Annual Research Achievements |
Cav1.2チャネルの活性調節には様々な因子が関与する。その中でもカルモジュリンは主要な役割を担っており、必須である。これまでカルモジュリンによるCav1.2チャネル活性調節についての様々な分子モデルが提唱されているが、統一した見解には至っていない。従来のモデルは1分子のカルモジュリンが細胞内カルシウム濃度の上昇に伴い、チャネルとの結合様式を変えることで、チャネルの活性化、不活性化を起こすというものである。我々は1分子のカルモジュリンがチャネルを活性化し、さらに別のカルモジュリンがチャネルを不活性化するという2分子のカルモジュリンによるチャネルの活性調節モデルを提唱した。 本研究では、カルモジュリンをチャネルにリンクさせた変異体を用いて、パッチクランプ法により活性を解析、比較し、我々の提唱した分子モデルの検証を行った。チャネル変異体には、カルモジュリン結合部位にアミノ酸変異を導入した。これまでの報告では主要なカルモジュリン結合部位はチャネルのアミノ末端側とカルボキシル末端側にある。カルシウムの濃度またはカルモジュリンの濃度を変えてチャネルの活性を解析し、カルモジュリンの結合様式と対応させることが目的である。 その結果、1分子のカルモジュリンによるチャネルの不活性化では、チャネルのアミノ末端側にあるカルモジュリンの結合部位が必要であることが示唆された。また、カルモジュリンを付加した条件ではチャネルアミノ末端側の変異体でも不活性化されたことから、2分子のカルモジュリンによるチャネルの不活性化は、カルボキシル末端へのカルモジュリンの結合によるものであり、アミノ末端側は関与しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
6種のチャネルのアミノ酸変異体について、各々のチャネル活性をパッチクランプ法により解析し、カルモジュリンの結合とチャネル活性の対応付けを行う計画であったが、チャネル蛋白の発現が安定でなく、記録が当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、パッチクランプ法によるチャネル変異体の解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、研究成果を論文とし雑誌に投稿する予定であったが、十分な結果が得られず実験を継続することになったため。また、引き続き予定していた実験にかかる費用として計上していた分が未使用となったため。 当初の計画を遂行するために使用する。
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Research Products
(6 results)