2018 Fiscal Year Research-status Report
プロテインホスファターゼ2Aによる平滑筋化学‐力学変換調節のメカニズム
Project/Area Number |
16K08500
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 賢 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (60191798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 浩介 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (20586862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 平滑筋 / プロテインホスファターゼ2A / ミオシン軽鎖リン酸化 / Caイオン感受性 / 収縮タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度までに本研究成果により、プロテインホスファターゼ2A抑制により相性(phasic)平滑筋収縮抑制が起こり、同時にミオシン軽鎖リン酸化の抑制が起こることが明らかになった。平成30年度は、緊張性(tonic)平滑筋におけるプロテインホスファターゼ2Aの機能を明らかにするため、頸動脈平滑筋の細胞膜を破壊したスキンド標本を用いて筋収縮実験を行った。相性平滑筋同様に頸動脈においても、特異的プロテインホスファターゼ2A阻害薬rubratoxin Aの処理により収縮が抑制され、更にミオシン軽鎖リン酸化の指標とされる収縮Caイオン感受性が低下したことから、プロテインホスファターゼ2A抑制によりミオシン軽鎖リン酸化が抑制され、それに伴い収縮が抑制されることが明らかになった。更に、収縮のキネティクス解析から、ミオシン軽鎖リン酸化の抑制は、ミオシン軽鎖キナーゼ活性の抑制によることが示唆された。一方で、ミオシン軽鎖リン酸化が十分な条件でもわずかではあるが収縮抑制がみられたことから、収縮反応の最下流であるミオシン・アクチン相互作用そのものもプロテインホスファターゼ2Aにより制御されていることが示唆された。更に薬理学的解析から、rubratoxin Aの収縮抑制作用は非可逆的であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が部局長として組織運営に携わる時間の割合が非常に大きく、研究に費やせる時間が減少した事が最も大きな理由である。又、X線回折実験が予想よりも困難な実験であり、データの蓄積が未だ十分でないことも、理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1年の事業延長をお認め頂いたので、2019年度中に収縮実験及びX線回折実験を進め、当初の目的を達成する予定である。
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Causes of Carryover |
実験の進捗が遅れ、消耗品(主に薬品代)使用量が減少した事、又、動物実験を3Rに留意して実施したことで、動物使用量が減少した事が主な理由である。 一年の事業延長をお認め頂いたので、2019年度で研究を着実に進めたい。
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Research Products
(3 results)