2017 Fiscal Year Research-status Report
リアノジン受容体チャネル作動機構の原子レベルでの解明
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16K08507
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10230012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リアノジン受容体 / カフェイン / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、筋小胞体のカルシウム遊離チャネルであるリアノジン受容体(RyR)の作動機構を原子レベルで明らかにすることを目的としている。そのため、分子内に多数存在する疾患変異の表現型解析を行い、最近得られた原子レベルに迫る高分解能構造モデルと照合することでチャネル作動機構の予測を行い、さらに予測に基づく人工変異導入による検証を行う。 平成29年度はS1からS4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異体を作製して機能解析を行う予定であった。しかし、2016年にRyR1のクライオ電子顕微鏡像が発表され、Ca2+、ATPおよびカフェインの結合が提唱された(de Georges et al., Cell 167, 145-157, 2016)。これらは活性化リガンドとしてチャネル制御に重要であることから、急遽、これらのリガンド結合部位近傍の疾患変異を探索し、その機能解析を中心に行うこととした。RyR2のカフェイン結合部位に存在するトリプトファンの変異はCPVTを引き起こすことが報告されていた。この変異体を機能解析したところ、活性化Ca2+感受性が大きく増大し、カフェインに対する感受性が消失していた。リガンド結合領域の構造比較から、カフェイン結合部位のトリプトファンを介する疎水性相互作用がCa2+結合部位の親和性を制御している可能性が浮上した。そこで、関係するアミノ酸残基を置換した変異体を作製して検証実験を行ったところ、Ca2+結合部位とカフェイン結合部位が密接に関連してCa2+結合を制御していることが明らかとなった。この結果については論文にまとめて投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していなかった領域(リガンド結合部位)の変異体の機能解析を主に行ったが、非常に興味深い結果を得ることが出来た。当初予定していたS1からS4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異体については、機能解析には至っていないものの変異体の作製は年度内に完了したことから、来年度に行うことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はS1からS4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異体の機能解析を行うと共に、構造から予測から人工変異体の解析を引き続き行っていく。最終的には、リガンド結合からチャネル開閉に至る制御機構を解明することが出来るように実験を続けていく予定である。
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Research Products
(14 results)