2017 Fiscal Year Research-status Report
神経活性化マーカー可視化技術を応用した「末梢-中枢神経」食欲調節伝達経路の解析
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16K08516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久留 和成 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (00592081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩橋 誠 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (80221555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中枢神経 / 摂食調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでc-fosタンパクが発現した細胞のみにeGFPを発現するトランスジェニックラットに対し、門脈内へのGLP-1微量投与を行うと、その刺激にて修飾を受けた脳幹部領域の神経細胞が蛍光陽性細胞として同定されることを報告してきたが、これらの蛍光陽性細胞に対してpatch-clamp法および単一細胞RT-PCR法を適用するにあたっては、蛍光陽性細胞を生細胞の状態で同定することが実験遂行の鍵となる。そこで本年度は、蛍光を呈する単一生細胞を標的とした実験へ展開するため、標的細胞の視認可能な蛍光継続時間を明らかにする事を目的として実験を行った。また、生細胞の観察を終えた後の脳スライス標本は、その後速やかに固定し抗c-fos抗原に対する免疫組織化学染色法にてc-fos陽性細胞とeGFP陽性細胞との細胞数および局在性を比較解析した。 今回の実験条件下では、脳スライス標本内にける標的細胞の蛍光強度は、刺激後4時間程度まで極めて強く観察され、c-fos陽性細胞との多重染色を用いた確認実験においても、蛍光陽性細胞とc-fos陽性細胞の共局在性はほぼ100%の割合で観察された。その後、刺激後の時間経過に伴い標的細胞の蛍光強度は低下していく傾向が見られ、刺激後5時間以降の脳スライス標本内では、蛍光陽性細胞は確認できるものの、明確な単一細胞として視認できる細胞数は減少する傾向が観察された。 これらの実験結果から、c-fos-eGFPトランスジェニックラットの蛍光陽性細胞の蛍光強度および傾向継続時間はeGFPの発現量に依存し、発現量およびその半減期を考慮すると、およそ7時間程度は、蛍光顕微鏡下で生細胞として同定可能であり、単一細胞を用いた実験に有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
刺激後の時間経過に伴う、蛍光陽性細胞数および蛍光強度に想定以上に経時変化が見られ、それらの問題を解決する為に予定外の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
刺激後の経過時間に伴う蛍光強度の推移データを元に、単一細胞を用いた実験をより効率的に行い実験を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅延に伴い、当該年度の予定使用額が少なくなったため次年度使用額が生じてしまった。当初の研究計画予定にしたがい、次年度速やかに使用予定である。
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