2018 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集によるエストロジェン膜受容体欠失ラット作製と細胞増殖抑制機構の解明
Project/Area Number |
16K08522
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
三井 哲雄 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (20402084)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | エストロジェン / 膜受容体 / Gpr30 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究で、エストロジェン(E2)の膜受容体の一つであるGpr30の特異的アゴニストとして知られるG1が、IGF-1によるプロラクチン産生(PRL)細胞の増殖促進作用を、E2と同様に用量依存性に抑制することを明らかにした。 そこで、Gpr30のアンタゴニスト、G15によるE2の増殖抑制作用に対する影響を調べた。その結果、G15によるE2の増殖抑制作用に対する影響はみられなかった。一方で、PRL細胞のGpr30発現を短鎖ヘアピンRNA (shRNA)をアデノウィルスベクターを用いて感染させ、発現を抑制させたところ、E2による増殖抑制作用をやや減弱したが、G1による増殖抑制作用に影響はみられなかった。 以上の結果から、Gpr30のアゴニストG1による増殖抑制作用は、膜受容体を介した経路とは別の経路を介する可能性が考えられた。また、E2による増殖抑制作用の一部は、膜受容体Gpr30を介している可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Gpr30のアゴニスト(G1)による増殖抑制作用は、膜受容体を介した経路とは別の経路を介する可能性が考えられ、E2による増殖抑制作用の一部は、膜受容体Gpr30を介している可能性が考えられたが、本研究の本題であるゲノム編集による遺伝子改変ラットの作製がまだ行えていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集ツールの検討をさらに進め、エストロジェンの膜受容体Gpr30欠失ラットを作製する。次に、Gpr30欠失ラットにおけるエストロジェン作用に関する表現型の変化を網羅的に調べるとともに、PRL初代培養細胞を用いてエストロジェンの増殖促進および抑制作用の変化を調べる。先行研究によりすでに同定しているエストロジェン応答性遺伝子の発現変化を、Real-time PCR法を用いて調べる。さらに、トランスフェクション法によりGpr30をレスキュー発現させ、増殖あるいはエストロジェン応答性遺伝子の発現変化を調べる。
|
Causes of Carryover |
(理由) ゲノム編集によるエストロジェンの膜受容体欠失ラットの作製に想定以上の時間を要し、研究計画の見直しが必要になったため。 (使用計画) 主には遺伝子改変ラットの作製費用に使用する。その他、プラスミドの購入やRNA抽出試薬など、消耗品の購入に使用する。
|