2017 Fiscal Year Research-status Report
新規オレキシン転写制御因子の機能解析とナルコレプシーへの関与
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16K08533
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
田中 進 関西医科大学, 医学部, 准教授 (30399472)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オレキシン / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
①成獣マウスにおいて明暗サイクル、断眠、高脂肪食1ヶ月、絶食1日、絶食2日の影響を検討し、オレキシンニューロン数ならびに共存するPLAGL1数と頻度を測定した。すべての条件においてPLAGL1陽性頻度の変化を観察した。ただし各群N4であるため、統計的なパワーは足りないと考えられる。また、断眠によりPLAGL1が核内で偏在することも見出した。これは断眠によりヘテロクロマチン部位にPLAGL1が局在するためを考えられた。 ②in slicoにてオレキシン遺伝子座上流配列に候補PLAGL1結合配列を見出した。そこでPLAGL1抗体とマウス視床下部組織を用いたクロマチン免疫沈降法をおこない、オレキシン上流配列候補PLAGL1結合配列近傍PrimerにてPCRによるバンドが得られた。このことからオレキシン上流配列候補PLAGL1結合配列へPLAGL1が結合していると考えられた。 ③胎生18日マウス視床下部において新たにPLAGL1の細胞膜裏打ち様の染色像を得た。この意義はまだ謎である。また、オレキシン遺伝子発現とそのタンパク発現時期との間にタイムラグがあることを見出した。何らかの翻訳抑制因子の関与が示唆される。 ④子宮内電気穿孔法を立ち上げ、胎児視床下部へのPlagl1過剰発現による影響を検討した。組織学的にオレキシンニューロン数の増加を認めたが、バックグラウンドが高く血管との判別が困難なため、定量PCRをおこない、Plagl1導入個体においてオレキシン発現上昇を認めた。 ⑤現在、これらをまとめ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、最終年度での投稿を予定していたが、思った以上に進展し、本年度に投稿までたどり着いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
①明暗サイクル、断眠、高脂肪食1ヶ月、絶食1日、絶食2日の影響を定量的な手法により解析する。 ②今後、レポータアッセイ等により発現変化を検討するとともに、結合配列以外の位置でのPrimerによりChipネガティブコントロール実験を行ない、サポートデータとする。 ③細かく胎齢を検討し、PLAGL1局在を観察していく。 ④直接的か間接的かを検討する意味で、他の視床下部遺伝子群の発現変化を検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)導入予定であったエレクトロポレーターが別基金により導入されたため、使用しなかった。 (使用計画)直接な関与を示すため、いくつかの遺伝子改変マウスが必要となるため、その導入費に充てる。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] PLAGL1/ZAC1によるオレキシン転写制御2017
Author(s)
田中進, 本多芳子, 高久静香, 小池太郎, 大江総一, 平原幸恵, 滝澤奈恵, 高森康晴, 黒川清, 児玉亨, 山田久夫
Organizer
第123回日本解剖学会総会・全国学術集会
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