2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of new oxidative signaling involved in tissue fibrogenesis and its application to therapeutic strategy
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16K08552
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
勝山 真人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60315934)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 活性酸素 / 組織線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織線維化は不可逆的な変化であり、根治可能な薬物療法は現在のところ存在しない。NOX4は活性酸素種(ROS)を産生するNADPHオキシダーゼの触媒サブユニットの一分子種であり、NOX4が産生するROSは組織線維化に重要な役割を果たすが、その分子機構は未解明の点が多い。 申請者はNOX4由来ROSにより、チオール基が酸化修飾を受ける蛋白を網羅的に解析し、候補分子としてTGF-β受容体の共役受容体であるエンドグリンを同定した。しかしNOX4に対するRNA干渉により、チオール基の酸化還元状態は変化しなかったこと、mRNAレベルでの発現は変化しなかったこと、蛋白レベルで発現が減少したことから、エンドグリンはNOX4由来ROSの直接の標的ではなく、間接的に蛋白レベルで発現制御を受けているものと考えられた。NOX4のノックダウンによるエンドグリンの減少はバフィロマイシンA1で抑制されたことから、リソソームによる分解を介するものであった。またこの減少はプロテインキナーゼC(PKC)の阻害剤であるGF109203Xやatypical PKC(aPKC)の偽基質配列ペプチドによっても抑制されたことから、NOX4由来ROSがaPKCの活性調節を介してエンドグリンを安定化・膜表面での機能的発現を維持し、TGF-βのシグナリングを増強していることが予想された。 一方申請者は、NOX4 mRNAよりわずか4塩基だけ欠失したスプライスバリアント・NOX4A mRNAが肺由来線維芽細胞に発現し、そのコードする蛋白がROSを産生する可能性を見出した。想定蛋白のC末端にHiBiTタグを連結する発現ベクターを用い、培養細胞に発現させブロット・発光検出を行ったところ、NOX4AはNOX4のN末端部分に相当する短い蛋白をコードする可能性が高いことが判明した。
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Research Products
(2 results)