2016 Fiscal Year Research-status Report
副作用なくがんの痛みを抑制する新規TREK1活性化薬の開発とその機能解析
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16K08568
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
宮野 加奈子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (50597888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上園 保仁 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (20213340)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | TREK1チャネル / オピオイド受容体 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、満足できる疼痛コントロールができているがん患者は少なく、より効果的な鎮痛薬の開発が求められている。近年、two-pore domain background K+ channelのひとつであるTREK1が痛みのセンサーtransient receptor potential (TRP) channelならびに鎮痛を制御するオピオイド受容体(opioid receptor; OR)を発現する神経の両者に存在し、疼痛経路と鎮痛経路の両方に作用する「Dual modulator」として鎮痛効果を制御することが示唆された。しかしながら、がん性疼痛におけるTRP発現神経ならびにOR発現神経のTREK1の 役割については不明な点が多い。そこで、申請者はがん性疼痛におけるTREK1の役割を解析するとともにTREK1活性化剤の開発を目指す。 当該年度は、TREK1を活性化するOR発現human embryonic kidney 293 cells (HEK293細胞)を作製し、オピオイド製剤をはじめとする既存の鎮痛薬を処置し、CellKey systemを用いた細胞内外の電気抵抗値(impedance)変化、ならびに細胞内cAMP量の変化、ORの細胞膜から細胞質へのインターナリゼーションを指標にOR活性を評価し、各オピオイド製剤がOR活性化を介してそれぞれどのようなシグナルを惹起するのかについて解析した。さらに、これらの結果をまとめ、学会ならびに論文発表を行った。また、TREK1発現HEK293細胞、ならびにORおよびTREK1を共発現するHEK293細胞の作製を行っており、TREK1活性評価系を確立しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度において得られた結果は、ORおよびTREK1共発現細胞におけるTREK1活性の役割を解析する上で基盤となるデータである。ORおよびTREK1共発現細胞については現在作製中であり、完成までには至っていない。そのため、当該年度の研究計画目標はやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、TREK1発現HEK293細胞、ならびにORおよびTREK1共発現HEK293細胞の作製を完了させ、卓上型自動パッチクランプシステムIonFlux 16を用いてTREK1活性評価系を確立させる。さらに、これらのTREK1発現細胞を用いて、既存のオピオイド製剤などによるORを介したTREK1活性を評価、ならびに鎮痛作用を有する漢方薬や生薬、ならびに新規OR活性化化合物などを用いて新規TREK1活性化剤のスクリーニングを行う。スクリーニングした化合物の薬理作用、並びにがん性疼痛に対する鎮痛効果を評価し、新薬の臨床開発に向けて必要な基礎的データを蓄積する予定である。
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Causes of Carryover |
当研究は平成28~30年度の3年間で行うこととなっている。直接経費の請求額は平成28年度1,300,000円となっていたが、実験の進捗に合せて平成28年度終了までに828,002円を執行し、残りの471,998円を平成29年度に繰り越した。その理由としては、平成28年に計画していた電気生理学実験が平成29年度へ移行したからである。平成29年度は電気生理学実験ならびに当初から計画していた動物実験の両方を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、直接経費の請求額1,300,000円と繰り越し分を合せ、以下の予算にて研究を遂行する;物品費:991,998円、旅費:80,000円、その他:700,000円。 平成28年度の研究費は主に上述した研究推進方策を進めるために必要な消耗品や実験動物などの購入(物品費)、ならびに研究成果の対外公表のための出張費、卓上型自動パッチクランプシステムIonFlux 16の借料(その他費)に充当する予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Ignavine: orthosteric enhancer of the µ opioid receptor.2016
Author(s)
Ohbuchi, K., Miyagi, C., Suzuki, Y., Mizuhara, Y., Mizuno, K., Omiya, Y., Yamamoto, M., Warabi, E., Sudo, Y., Yokoyama, A., Miyano, K., Hirokawa, T., Uezono, Y.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 6
Pages: 31748
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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