2018 Fiscal Year Research-status Report
DR6による末梢免疫細胞制御における分子メカニズムの解明
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16K08570
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤倉 大輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70547794)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DR6 / 末梢免疫細胞 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、DR6が関与するとされる喘息モデル等に有用なBalb/cマウス遺伝子背景に、CRISPR/Cas9法によりDR6遺伝子単純欠損を導入し、DR6欠損Balb/cマウスの産仔を複数得るに至った。本年度はこれらDR6遺伝子欠損マウスの表現系を解析した。得られた産仔それぞれのゲノム上のDR6遺伝子領域を対象に、DNAシーケンス解析を行った結果、DR6遺伝子の機能的欠損アリルが複数見出された。これらのうち、比較的大きな領域が欠損されていたアリルを2つ、一塩基欠損アリルを1つ選択し、その後の解析に供した。これらのアリルは同一個体において互いにヘテロであったため、次に、それぞれのアリルの分離を試みた。野生型Balb/cマウスとヘテロDR6遺伝子欠損マウスとの交配を行い、各欠損アリルと野生型アリルをもつヘテロ産仔を得た。各欠損アリルにつき兄妹交配を行い、各欠損アリルのホモ個体を得るに至った。得られたホモ個体はいずれも既報の通り、外見的な異常および繁殖能等に異常は認められなかった。次に、各アリルにつきホモ個体同士の兄妹交配をおこない、3つのアリルについて、それぞれを独立にもつ系統として確立した。系統保存を目的に、各系統の一部の個体から受精卵および精子を採取し、凍結保存を行った。一方で、また一部の個体から免疫細胞を採取し、各免疫細胞ポピュレーションにおけるDR6タンパク質発現量をフローサイトメトリー法により行い、それぞれ3つのアリル上の機能欠損によりDR6タンパク質発現が欠損されていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定では本年度内にDR6欠損マウスを作成し、解析を終える予定であったが、本学動物実験施設の改修に伴う一時閉鎖のため、DR6遺伝子欠損マウス系統の作成および保存にとどまった。また、本年度末に研究代表者の異動にともない、進捗の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、引き続き計画を進める。計画遂行に当たって必要なすべての研究試料の移動を無事終えており、遂行に支障はない。
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Causes of Carryover |
経費削減努力による。
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