2018 Fiscal Year Research-status Report
S期特異的な複製共役ヌクレオチド除去修復機構についての解析
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16K08580
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
丹伊田 浩行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20336671)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒストンアセチルトランスフェラーゼ / ヒストン脱アセチル化酵素 / ヌクレオチド除去修復 / メラノーマ細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はDNA複製前複合体に必須のヒストンアセチルトランスフェラーゼHBO1がヌクレオチド除去修復に関与し、この機構を推進する酵素であることを報告した。(Niida et al. Nature Communications, 2017).この研究の中で細胞周期G1期においてHBO1はヌクレオチド除去修復依存的に活性化されたATRによりリン酸化され、DDB2と結合してヌクレオチド除去修復を促進するために損傷部位周辺のヒストンをアセチル化することを明らかにした。 またS期においてDNA複製マシナリーに共局在し活性化しているATRによりリン酸化されたHBO1がS期のヌクレオチド除去修復を促進していることを明らかにした。 またヒストンアセチルトランスフェラーゼとは拮抗する活性を持つヒストン脱アセチル化酵素もヌクレオチド除去修復因子の集積に必要とされることも明らかにしつつある。 既に報告されていることであるがメラノーマ細胞の多くは特にS期のヌクレオチド除去修復に欠陥を持つものが多いが、この細胞特異的な現象に我々の発見したHBO1やHDACがどのように関わるのかさらに研究を進め明らかにしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度まで主にヌクレオチド除去修復に関わる細胞内コファクターとしてヒストンアセチルトランスフェラーゼとの関わりに主眼を置き研究を進めてきた。これらの研究結果をまとめ原著論文として報告している(Niida et al. Nature Communications, 2017). 最近ヒストンアセチルトランスフェラーゼと反対の活性を示すヒストン脱アセチル化酵素も同様にヌクレオチド除去修復因子の集積に必要とされることを見出しその機能解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒストン脱アセチル化酵素とヌクレオチド除去修復機構の解析をさらに進める。またS期に特異的にこれらヒストン修飾酵素が関与しているか、さらにメラノーマ細胞のヌクレオチド除去修復に我々の発見したヒストンアセチルトランスフェラーゼとヒストン脱アセチル化酵素が如何に関わっているかを明らかにするため研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
研究課題についてあらたに関与する分子を同定したため研究経費を次年度に使用する必要が生じた。
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[Journal Article] Isozyme-Specific Role of SAD-A in Neuronal Migration During Development of Cerebral Cortex.2018
Author(s)
Nakanishi K, Niida H, Tabata H, Ito T, Hori Y, Hattori M, Johmura Y, Yamada C, Ueda T, Takeuchi K, Yamada K, Nagata K, Wakamatsu N, Kishi M, Pan YA, Ugawa S, Shimada S, Sanes JR, Higashi Y, Nakanishi M
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Journal Title
Cereb Cortex
Volume: 11
Pages: 1-14
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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