2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞の増殖分裂制御に関わる新たなシグナル伝達機構の解明
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16K08582
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 誠 京都大学, 医学研究科, 助教 (30335244)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1:EpH4細胞でのIQGAP1,3ノックアウト細胞を作成した。現在までに細胞質分裂過程の遅延、マーカー局在異常などを示唆するデータが得られているが、解析に難航している。理由としては、得られた複数のノックアウト細胞クローン間での表現型のばらつきが大きいことと、ノックアウト細胞の増殖が悪く培養が困難なことがある。そのためRNAiの結果を付き合わせつつ、解析を進めている。 課題2:IQGAP3ノックアウトマウスの解析は、他の研究課題に予算と労力をとられており、現状全く行なうことができていない。 課題3:昨年度まで検討を進めていた候補の中に、これまでのところ機能的に有意なIQGAP3結合分子は見出されなかった。現在、解析できていない残りの分子の検討を進めているほか、他の候補分子を新たに複数挙げ、検討している。 課題4:IQGAP3ノックダウンによる因子Aの局在変動を検討していたが、最近の検討で変動量が統計的に有為でない可能性が高いことが明らかになった。両分子間の結合の制御については免疫沈降実験やin vitro binding assayで検討を進め、興味深い結果が得られている。昨年度検討していたF9細胞の分化過程における両分子の機能的関与については否定的な結果を得た。一方、特定の組織由来の細胞種において顕著に細胞増殖に関与していることを明らかにし、現在その分子機構の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度までの解析で、上述のように幾つかの成果は得られたものの、多くの検討課題について当初の到達目標に届いていないのが現状である。IQGAP3の上皮細胞での細胞質分裂への関与について、未だIQGAP1,3各々単独のノックアウト細胞株の検討に留まっており、またその表現型の詳細な分子機構の解析も遅れている。IQGAP3の細胞種依存的な増殖制御を裏付ける結合因子の同定が達成できていない。また、IQGAP3ノックアウトマウスについては全く解析が行なえていない。IQGAP3と因子Aの結合について、その機能的意義が未だに明らかにできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な助言や協力を得るなどし、可能な限り迅速な遂行を行なうように努める。
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Causes of Carryover |
必要な消耗品が予定より少なくなったために生じた。主として次年度に必要な物品の購入に充てる予定である。
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