2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanisms through RNA-RNA binding protein network in physiological regulation and disease onset
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16K08590
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
坂本 修士 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 准教授 (80397546)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋組織 / 未成熟 / 筋小胞体 / 膵beta細胞 / 細胞増殖 / 二本鎖RNA結合タンパク質 / NF90 / NF45 |
Outline of Annual Research Achievements |
二本鎖RNA結合タンパク質であるNF90-NF45が過剰発現した遺伝子改変マウス(NF90-NF45 dbTg mice)の骨格筋では「筋萎縮」及び「筋幹細胞マーカーの発現上昇」が見出されている。しかしながら、その発症機構に関しては不明である。これらの点の解明を目指し、本年度は、NF90-NF45 dbTg miceの骨格筋においてNF90と相互作用する因子を免疫沈降及び質量分析により同定した。その結果、SERCAが同定された。SERCAは筋小胞体へのCa2+取り込みを促進する因子である。加えて、マイクロアレイ解析により、dbTg miceではSERCAの機能を抑制するsarcolipin (SLN)の発現が顕著に増加していることも見出された。これらの知見より、NF90-NF45は筋組織において筋小胞体へのCa2+取り込みを抑制する可能性が示唆された。SLNは未成熟な筋組織を有する胎児期から新生児期に発現が増加し、筋成熟に伴い発現が減少する。従って、dbTg miceの骨格筋における「筋萎縮」及び「筋幹細胞マーカーの発現上昇」は、NF90-NF45による筋小胞体へのCa2+取り込み制御を伴う「筋組織の未成熟化」に起因するのではないかと考えられた。 一方で、内在性NF90-NF45の機能解析の一環として進めている膵ラ島におけるNF90-NF45の役割に関しては、膵beta細胞株においてNF90-NF45をノックダウン(KD)することにより細胞増殖が有意に低下することを見出した。加えて、マイクロアレイ解析により、NF90-NF45KD細胞においてはアポトーシス促進因子であるTp53inp1の発現が増加することも見出した。これらの知見より、膵ラ島において内在性 NF90-NF45はアポトーシス促進因子であるTp53inp1の発現を抑制することで膵beta細胞の増殖を促進する可能性が示唆された。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 哺乳動物細胞におけるフリーズドライ保存の可能性と課題.2018
Author(s)
松川 和嗣, 本郷 新, 井上 陽香, 横山 輝智香, 森澤 啓子, 樋口 琢磨, 坂本 修士, 及川 俊徳, 斎藤 光治, 赤木 悟史, 武田 久美子, 黄川田 隆洋, 市川 明彦, 枝重 圭祐
Organizer
Cryopreservation Conference 2018
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