2016 Fiscal Year Research-status Report
モデルマウスによるUCP1発現細胞の非侵襲的イメージング解析
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16K08610
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 綾 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50436276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 健 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80500610)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Ucp1 / 褐色脂肪細胞 / ゲノム編集 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
褐色脂肪前駆細胞のUCP1遺伝子座へ蛍光タンパク質EGFP遺伝子をノックインするため、ドナーベクターを構築した。ドナーベクターにはUCP1遺伝子の-3.9kから+4.5kを挿入し、さらに翻訳開始部位にEGFP遺伝子を挿入した。Cas9およびガイドRNAの発現ベクターをドナーベクターとともに細胞に導入したが、組換え効率が低かったため、薬剤耐性遺伝子を用いて2段階で遺伝子挿入を行うことにした。まず始めにピューロマイシン耐性遺伝子とチミジンキナーゼの融合遺伝子(PacTK)を含むドナーベクターを構築してUcp1遺伝子座へのノックインを行い、その後、PacTKをEGFP遺伝子で置き換える。EGFPに置換されずPacTKを有したままの細胞は、TK(チミジンキナーゼ)で毒性化するガンシクロビルを用いることで除去できる。Cas9、ガイドRNAおよびPacTKを含むドナーベクターを褐色脂肪前駆細胞に導入し、ピューロマイシンによる薬剤選択を行ったところ、ガイドRNA依存的な組換えが起きていることが伺える結果が得られた。また、ピューロマイシン存在下で増殖した細胞のゲノムDNAを単離してPCRによる解析を行ったところ、Ucp1遺伝子座にPacTK遺伝子が挿入されていることが明らかになった。しかし、PCR産物のサイズが期待したサイズよりやや小さく、DNA配列を確認した結果、ガイドRNAの標的配列周辺の約400bpが欠失していることがわかった。これはドナーベクターにガイドRNAの標的配列が含まれていたために起こったものと考えられたため、ガイドRNAの標的配列をドナーベクターから除去したものを構築し、再度ノックインを行った。その結果、ゲノムPCRにより目的の遺伝子座にPacTKが挿入され、大きな欠失も見られないことを確認した。現在、目的のノックイン細胞を得るため、クローニングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
褐色脂肪前駆細胞におけるCRISPR/Cas9システムを用いたノックイン効率が低く、Ucp1遺伝子座に直接EGFP遺伝子をノックンすることは困難と判断した。この可能性は本研究の計画段階である程度予想していたため、すぐに薬剤耐性遺伝子を使用する方法に切り替えた。しかし、薬剤耐性遺伝子を含むドナーベクターを構築してゲノム編集を行ったところ、ガイドRNA依存的なゲノム編集は見られたが、ガイドRNAの標的配列付近が大きく欠失していることが明らかになった。このため、ガイドRNA標的配列を除いたドナーベクターを再構築し、再度ゲノム編集を行った。この結果、問題の欠失は見られなかったが、当初の予定よりやや実験の進行が遅れ気味となった。
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Strategy for Future Research Activity |
ひき続き細胞のクローニングを進め、PacTK遺伝子が片側アリルのUcp1遺伝子座にノックインされた細胞を選択する。次に、UCP1-EGFPドナーベクターを用いて再度ノックインを行い、Ucp1遺伝子座のPacTK遺伝子をEGFP遺伝子と入れ替える。HSV TKはガンシクロビルをリン酸化し細胞毒性を強めるため、ノックイン遺伝子がPacTKからEGFPに入れ替わっていない細胞はガンシクロビルの添加により排除できる。こうして最終的にUcp1遺伝子座にEGFP遺伝子がノックインされた褐色脂肪前駆細胞のみを得ることができる。 EGFP遺伝子をUCP1遺伝子座に挿入した褐色脂肪前駆細胞を得たら、分化誘導試薬を加えて成熟した褐色脂肪細胞へ分化させ、EGFPの発現誘導を調べる。UCP1は褐色脂肪細胞の分化に伴って誘導されるので、EGFPの発現も分化に伴って増大するはずである。また、既知のUCP1誘導剤であるアドレナリン受容体β3アゴニスト(CL316423)を成熟褐色脂肪細胞に投与し、EGFPが誘導されるか検証する。これらの解析により、褐色脂肪細胞においてUCP1の発現変動をEGFPで検出できることを確認したら、次にマウスの作製を行う。 マウス受精卵にCas9n/gRNA2/gRNA4発現ベクターおよびUCP1-iRFPドナーベクターを導入し、UCP1遺伝子座へiRFP遺伝子をノックインする。マウスが産まれたら、ゲノムDNAを調製してPCRによる解析を行い、iRFPノックインマウスを選別する。ヘテロノックインマウスではUCP1の発現を完全に欠失することなく、かつiRFPでUCP1量の変動をモニターできる。マウス生体でのiRFPの観察は、IVIS Imaging system(パーキンエルマー社)を用いて行い、iRFPがUCP1と同様に褐色脂肪組織特異的に高発現していることを確認する。
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Causes of Carryover |
今年度は大方計画通りに使用したが、他の研究費も獲得できたため、次年度使用額が多少生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も当初の計画に沿って研究を進め、予算の大半を消耗品に使用する予定である。
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[Journal Article] A Role for KLF4 in Promoting the Metabolic Shift via TCL1 during Induced Pluripotent Stem Cell Generation2017
Author(s)
Nishimura K, Aizawa S, Nugroho FL, Shiomitsu E, Tran YT, Bui PL, Borisova E, Sakuragi Y, Takada H, Kurisaki A, Hayashi Y, Fukuda A, Nakanishi M, Hisatake K
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 8(3)
Pages: 787-801
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] BMP-SMAD-ID promotes reprogramming to pluripotency by inhibiting p16/INK4A-dependent senescence2016
Author(s)
Hayashi Y, Hsiao EC, Sami S, Lancero M, Schlieve CR, Nguyen T, Yano K, Nagahashi A, Ikeya M, Matsumoto Y, Nishimura K, Fukuda A, Hisatake K, Tomoda K, Asaka I, Toguchida J, Conklin BR, Yamanaka S
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 113(46)
Pages: 13057-13062
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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