2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanism of HSF1 transcription complex by evolutional approach
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16K08625
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
瀧井 良祐 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00419558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 熱ショック応答 / 転写 / HSF / DNAプルダウン法 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、DNAプルダウンアッセイとプロテオーム解析を基盤とした手法により、HSF1転写複合体の構成因子を同定した。まず進化的アプローチにより、HSF1のDBD領域にある1アミノ酸と、領域X内の22アミノ酸が活性化に必要であることを明らかにした。そこで、野生型および変異型HSF1を用いHSF1転写複合体の構成因子群をプロテオーム解析により明らかにした。約200の因子を同定し、その中にはHSF1の転写活性と相関して、結合量が変化する因子群が複数存在した。その中には、既知だけでなく、新規のHSF1相互作用タンパク質が数多く見つかった。そこで、これらの中から11因子に着目し、ノックダウンを行い、熱依存的なHSP70の誘導能の変化を調べた。その結果、5因子がHSP70誘導能の低下を引き起こした。そこで申請者は、染色体分配関連因子に着目した。同因子は、熱刺激時の転写との関連について報告はない。この因子は、熱刺激時にHSF1依存的にHSP70プロモーター領域へ呼び込まれることが分かった。また、この因子は、様々なマウスの細胞においても、熱依存的なHSP70の誘導に必要であることがわかった。さらに、熱依存的な細胞死についても、同因子のノックダウンは、強い細胞死の誘導とユビキチンタンパク質の蓄積の上昇が見られ、熱依存的なプロテオスタシスの維持に必要であることがわかった。今後は、この因子がどのようにHSP70の転写誘導を活性化するのか、その分子機構を明らかにしたい。
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