2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of formin protein Fhod1 in mouse
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16K08627
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
實松 史幸 宮崎大学, 医学部, 助教 (80381094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武谷 立 宮崎大学, 医学部, 教授 (50335981)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクチンの核化・重合促進因子として知られるformin相同タンパク質FhodにはFhod1とFhod3の2つが存在する。我々はFhod3がマウス胎生早期より心臓に強く発現していることを見出し、胎児期における心筋の収縮装置「サルコメア」の成熟を通じて心臓形成に必須であることを解明した。一方、そのホモログであるFhod1も心筋細胞に発現し、心筋細胞同士を連結させる介在板に局在しているとの報告がなされたが、心臓臓器レベルにおけるFhod1の生理的役割は不明であった。我々はFhod1遺伝子座にLacZ遺伝子を挿入したFhod1欠損マウスを作出し、心臓におけるFhod1の発現ならびに生理的役割を検討した。Fhod1欠損マウスにおいてFhod1の発現をX-gal染色とイムノブロット法により解析したが、いずれも野生型の心臓にFhod1のポジティブシグナルは検出されなかった。また、Fhod1欠損マウスは野生型と比較して心肥大等の形態学的・組織学的異常は認められず、Fhod1が局在すると報告されている介在板の構造にも異常を検出できなかった。さらに、心臓の機能的異常により発現が亢進する心不全マーカ(ANP, BNP, b-MHC)の発現も、野生型と欠損マウスの間でいずれも有意な差は認められなかった。一方で、心臓に発現する他のフォルミン蛋白質の代償性発現増加は見られなかった。以上より、正常な心臓におけるFhod1の発現は、あったとしても極めて低い上に、心臓の構造や機能に対してほとんど影響を及ぼしていないと考えられた。
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