2018 Fiscal Year Annual Research Report
Improvements in genome editing technologies for treating a marmoset model of human inherited blood disorder
Project/Area Number |
16K08642
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
三谷 幸之介 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10270901)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / ゲノム編集 / 免疫不全症 / ウイルスベクター / 疾患モデルマーモセット |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト疾患モデルマーモセットを用いたゲノム編集による遺伝子修復治療技術の確立を目指し、先ず、切断効率の良いCIRSPR-Cas9の種類と標的DNA配列の組み合わせを検討した。標的となるIL2RG遺伝子エクソン3のDNA変異部位の近辺を標的とするSpCas9や Cpf1などの様々なCRISPRタンパク質の変異体とガイドRNAと合わせて、最も切断活性の高い組み合わせを同定した。さらにそのCRISPRとIL2RG領域の修復用ドナーDNAとを用いて、全細胞の約90%という高頻度で相同組換え修復を達成した。それをさらにヒトCD34陽性造血幹前駆細胞に適応した。電気穿孔法でCas9 とガイドRNAとを複合体の形で導入し、直後に遺伝子修復用のドナーDNAとして、IL2RG遺伝子座の相同DNA配列に挟まれたVenusレポーター遺伝子をアデノ随伴ウイルスベクターを用いて導入した。その結果、38%の高効率で標的IL2RG遺伝子座にVenus遺伝子が組み込まれた。これらの細胞で造血コロニーアッセイを行いPCRにより遺伝子修復の割合を確認すると、相同組み換えが40%で検出された。次にマーモセットCD34陽性細胞で同様の実験を行なったところ、Venus陽性細胞は約30%であった。
次に、遺伝子修復の安全性を高める方法として、1) ゲノムワイドなオフターゲット切断部位の同定と、2) ネガティブ選択法によって修復用ドナーDNA のランダムな部位への組込みを除く方法とを、検討した。1) についてはゲノムワイドなオフターゲット切断部位を検出するために、CIRCLE-seq法を導入した。2) については、BRD4遺伝子に対するshRNAを利用した選択法に加えて、iCaspase9自殺遺伝子を利用する技術の開発を行った。現在のところ選択効果がそれほど顕著に見られず、更なる条件の至適化が必要だと考えられる。
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Research Products
(4 results)