2017 Fiscal Year Research-status Report
急性心筋梗塞における内皮Toll様受容体を介した冠微小循環傷害の分子機序の解明
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16K08668
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
倉田 美恵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (80423440)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / no-reflow現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性心筋梗塞の病態は冠動脈の血栓性閉塞であり、経皮的冠動脈形成術(PCI)などによって閉塞血管の血行再建術が行われる。しかし閉塞部位が解除されたにもかかわらず心筋に十分な血液灌流が得られない、微小循環障害(no-reflow現象)が生じることがある。これによる慢性期心機能の低下や生命予後の悪化が報告されており、閉塞血管の再疎通のみならず心筋還流も改善させる治療が望まれる。No-reflow現象の病理像は毛細血管閉塞である(Kloner, JCI, 1974)が、引き金となる分子機序は不明である。 好中球は自らの核酸と細胞内蛋白の複合体を放出することで外来病原体を捕獲する機序:neutrophil extracellular traps (NETs)も持ち合わせている(Brinkmann, 2004, Science)。NETsは強い細胞毒性を有しており敗血症時の血管内皮細胞障害の一因とされている。血栓形成を主たる病態とする急性心筋梗塞においてもNETsが放出され内皮障害に関与している可能性がある。 当該年度に申請者らはNo-reflowに陥った心筋組織におけるNETsの証明を行った。急性心筋梗塞のためお亡くなりになった患者様の剖検心において病変部におけるNETsを免疫染色し病理学的に証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該遺伝子ヒト発現ベクターの構築が遅延し責任リガンドの特定が遅延しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト発現ベクターの構築を細胞内シグナリングの研究業績が豊富な増本純也教授、らのアドバイスを受けながら進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は当該実験が遅延しているためである。 引き続き当該遺伝子ヒト発現ベクターの構築を行い、責任リガンドの特定を推進していく予定である。また、これらの成果を学会発表し投稿するために次年度使用額を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)