2017 Fiscal Year Research-status Report
免疫組織染色の定量評価のための陽性コントロールの開発
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16K08685
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
南谷 佳弘 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30239321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南條 博 秋田大学, 医学部, 准教授 (70250892)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫組織染色 / 陽性コントロール / 高分子ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,免疫組織染色の技術は格段に向上し,組織におけるタンパク質発現の評価法として必須である.しかしその染色程度は組織標本の管理状態,抗体の種類などによって結果が安定しない.本研究の目的は免疫組織染色の評価を正確にするために,濃度コントロールを作成して従来の定性評価から定量評価にすることである. その方法として既知濃度の目的タンパク質含有高分子ゲルを用いる方法を考案し特許出願した.この研究期間内で行うのは様々なタンパク質で同様の結果が得られるか検討することである.将来的には画像解析装置を用いて粒子を自動判定して用いることが想定され,自動認識に耐えうる粒子の開発を行うこととして,昨年度は粒子の改良を行った.当初は思わしい結果が得られなかったが,様々な試行錯誤を行い,タンパク質含有高分子ゲルを直接ポリマーラテックス粒子の表面に結合させる方法で免疫染色後に顕鏡可能な粒子を作成することに成功した.しかし,実際に使用するまでの完成度は得られず,今年度は引き続き粒子の改良を行った.まず包埋法について改良を加えた.これまでは通常のパラフィン包埋の方法でコア粒子とミクロゲルの包埋を行っていた.そこでコア粒子とミクロゲルをゼラチンで包埋した後,パラフィンブロックとする方法を検討した.さらに,これまでは切片が載ったスライドグラスを60℃で一晩乾燥させていたが,37℃で二晩乾燥を行った.以上の方法で作成したコア粒子切片は染色操作によるスライドグラスからの剥離が大幅に軽減された.またミクロゲルの非特異染色を防ぐために,バッファー等の反応条件をグリシルグリシンの結合に最適化した.その結果,ミクロゲルの反応基に対するクエンチングが飛躍的に上昇し非特異染色を大幅に防ぐことに成功した.また前述の条件下でHER2タンパク濃度を変えた場合,染色に濃度差がつけられることも併せて確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は研究申請時までにできていた粒子で,そのまま臨床研究に進めると考えていたが,将来の臨床応用を考えて粒子そのものの改良を行うこととした.実際,新たな粒子の開発は予定通り進んだが,臨床応用するにはさらなる試行錯誤が必要と判断され,進捗状況を「やや遅れてる」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
1.安定した免疫染色結果が得られるような粒子のさらなる改良を行う. 2.実際の臨床検体で免疫染色時の養成陽性コントロールとして使えるか検討を行う. 3.画像解析装置の開発(企業が独自の研究開発費で行う).
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