2018 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship of microRNA expression on the signaling pathway activation in pancreatic intraductal papillary mucinous neoplasm
Project/Area Number |
16K08696
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
福村 由紀 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90407312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三富 弘之 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90181940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | IPMN / 膵臓癌 / マイクロRNA / miR181b / miR20-a / TGF-β / CD133 / シグナル伝達経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌の初期病変の一つであるIPMN(膵管内乳頭粘液産生腫瘍)の悪性化機転を解明し、把握することで、大変質(たち)の悪い膵臓癌をより初期段階で発見し、また、悪質な膵臓癌に進展した後もその特徴に応じた狙い撃ち治療(標的治療)開拓するという2つの目的で研究を行っている。 平成29年度までにIPMNの悪質な膵臓癌(いわゆる浸潤癌)への進展に関わるマイクロRNA miR181bとmiR20-aを同定、さらにmiR181b高発現がシグナル伝達経路のひとつであるWnt経路(これは癌を増殖させるはたらきを示すとされているる)の活性化にかかわることをmiR181bの定量データとWnt経路の構成因子であるβカテニン免疫染色で確認した。 平成30年度は、より網羅的にIPMN悪性化・進展に関わるシグナル経路を拾い上げるために、と13の癌関連シグナル伝達経路(770遺伝子)の定量解析を行い、悪性IPMNは伝達経路の動態で分類すると2群に分類でき、病理組織学的特徴による分類にほぼ一致することがわかったため、現在まで、この2群に分けた解析を継続してきた。 具体的には、悪性IPMNの好酸性亜型と従来呼ばれてきた群ではTGF-βシグナル経路の動態が、胃・腸型亜型と呼ばれる群とは異なり、また、CD133でマークされる癌幹細胞因子を前者が豊富に有することが遺伝子定量的に、また、タンパク発現でも確認された。 今後は、IPMNを2群に分けて解析し、TGF-β経路の差異、癌幹細胞発現により起こる関連事象を見出し、これらの悪性IPMNの早期発見・標的治療への有用性を検討する。また、すでに見出した、悪性IPMNで高発現の見られるマイクロRNAとTGFβ経路亢進、癌幹細胞発現との関連を調べることで、マイクロRNAの臨床応用も検討する。
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Research Products
(4 results)