2016 Fiscal Year Research-status Report
リンパ球浸潤肝癌における、腫瘍免疫とオートファジー、鉄代謝との関連
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16K08700
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
竹下 篤 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30298765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リンパ球浸潤肝細胞癌 / 細胞内封入体 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度の計画は、pLHCCの臨床病理学的特徴を検討することであった。当初2010年以降の症例の検討を考えていたが、電子カルテの閲覧制限等の理由で、2012年以降の症例を検討することとなった。そこでまず、2012年の当院での肝手術症例の検討を行った。肝手術症例は全体で77例であった。内訳は原発性肝細胞癌27例(30結節)、肝内胆管癌3例、転移性肝癌31例、その他16例であった。原発性肝細胞癌30結節のうち、リンパ球浸潤を伴う肝細胞癌は4結節であった(13.3%)。腫瘍全体がリンパ球浸潤癌(wLHCC)のものはなく、全例、腫瘍の一部にリンパ球浸潤を認めるもの(pLHCC)であった。 背景因子として、肝細胞癌全体ではHCV単独10例、HBV単独6例(既感染1例含む)、アルコール多飲単独3例、非B非C例5例(関節リウマチ合併1例含む)、HCV+アルコール多飲2例、原因不明1例であった。 pLHCCの背景因子としてはHCV3例、HBV1例であり、非B非C例やアルコール多飲例はみられなかった。 リンパ球浸潤を伴わない肝細胞癌(cHCC)とpLHCCについて、原発性肝癌取り扱い規約第6版に記載された項目につき比較検討したところ、pLHCC群では、細胞質内封入体がみられるものや淡明な胞体を有するもの、あるいは脂肪化がみられるものが多かったが、症例数が少ないことより有意差はみられなかった。 今年度以降はさらに症例を蓄積し検討する。また、浸潤するリンパ球の種類や癌細胞のオートファジー、鉄沈着につき、免疫組織学的手法にて検討してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
電子カルテの閲覧制限等により以前から検討していた症例が使用できなくなったため、新たな症例で検討することになった。 そのため当初は過去5年分の検討を終了する予定であったが、過去1年分の検討に終わってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やすため、2013年~2016年までの症例を検討する。 また、浸潤するリンパ球の種類や癌細胞のオートファジー、鉄沈着につき、免疫組織学的手法にて検討してゆく。
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Causes of Carryover |
当初画像解析ソフトを購入する予定であったが、大学の共用設備として購入される予定が出てきたため、科研費による購入を見合わせている。デモ等を確認することにより、科研費での購入を改めて検討する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大学が購入するようなら試用し、科研費での購入を改めて検討する。 科研費で画像解析ソフト等の購入が不要になった場合は、解析する画像を撮影するための顕微鏡画像撮影装置購入費用に充当する予定である。
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