2018 Fiscal Year Annual Research Report
Anti-tumor immune responses mediated by TLR-activated tumor-associated myeloid cells
Project/Area Number |
16K08704
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
志馬 寛明 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70372133)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん免疫 / 自然免疫 / 腫瘍内微小環境 / ミエロイド系細胞 / TLR / 免疫抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
Toll-like receptor(TLR)リガンドまたはTLRリガンドとがん抗原の混合物を腫瘍移植マウスモデルに投与すると、腫瘍の成長が抑制される。TLRリガンドは、樹状細胞やマクロファージなどのミエロイド系免疫細胞に作用し、自然免疫および獲得免疫応答を誘導して抗がん効果を発揮する。TLRシグナルの強さは、様々な刺激によって影響を受けるため、生理活性の異なる他の薬剤と併用することにより、TLRリガンドのがん治療効果が増強される可能性がある。抗酸化アミノ酸であるエルゴチオネイン(L-ergothioneine, EGT)は、マクロファージや樹状細胞などのミエロイド系免疫細胞においてTLRシグナル伝達機構に影響を与える。本研究では、EGTがTLRリガンドの抗がん作用に影響するかどうかを、免疫抑制的な腫瘍内微小環境の形成に重要である腫瘍随伴マクロファージ(tumor-associated macrophages, TAMs)の機能変化に着目して解析した。LLC-OVAがん細胞の移植モデルで、TLR2リガンドとがん抗原の投与による抗がん効果は、EGTとの併用によって増強された。TLR2リガンドとEGTを投与したマウスのTAMsは、その数が減少するとともに、免疫抑制活性が低下していた。すなわち、EGTは腫瘍内微小環境でのTLR2シグナル伝達機構に影響を与え、TAMsの免疫抑制機能を抑えて細胞傷害性T細胞の活性を増強することがわかった。また、TLR3特異的リガンドARNAXとがん抗原の投与は、MHC class Iの発現が高く、PD-L1の発現が低い、免疫抑制性ミエロイド細胞が少ない腫瘍に対して強い治療効果を誘導できること、メモリーT細胞を誘導して長期にわたる治療効果が期待できることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)