2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K08720
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新井 恵吏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (40446547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん / エピゲノム / DNAメチル化 / 臓器横断的 / 胃 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までに、淡明細胞型腎細胞がん104例・肺腺がん168例・胃腺がん105例・肝細胞がん37例・浸潤性乳管がん99例のがん部と非がん部のInfiniumアレイによるメチロームデータの臓器横断的解析により、細胞分化に寄与する遺伝子が諸臓器がんの発がん過程において共通してエピゲノム異常の標的になることを示した。平成29年度には、これら5臓器のうち臓器特異的マーカーに乏しい胃に着目し、胃がんの臓器特異的マーカーを取得することを目指した。胃がんでのみ高メチル化状態にあり、他の4臓器がんで低メチル化状態にあるCpG部位を27箇所抽出した。27箇所のDNAメチル化状態について、公共データベース(TCGA)上の胃がんを含む13種のがん種のメチロームデータを参照し、再現性があり胃がんと他の消化器がんとを特によく識別できるマーカーとして、それぞれ異なる遺伝子に紐づく2個のCpG部位を抽出した。このうち1個の遺伝子の当該CpG部位を含む領域にプライマーを作製してpyrosequence法によってverificationを行い、同一サンプルのInfiniumアレイによるDNAメチル化率とpyrosequence法によるDNAメチル化率がよく一致することを確認した。同プライマーセットを用いて、メチロームデータ取得例とは異なる検証例の胃・肺・腎・肝・大腸の各がん組織のDNAメチル化率を測定し、検証を行っている。胃がん20例・その他がん25例による中間評価では、高い感度・特異度をもって胃がんを他のがん種から識別できることが示されている。 また、期間中に膵がん・尿路上皮がん・子宮体がん症例のがん部・非がん部のメチロームデータ、肝細胞がんの新たな症例のメチロームデータを取得し、臓器横断的解析に用いるデータの臓器数・症例数を増やした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、複数臓器がんのメチロームデータの横断的解析の第二段階として、臓器特異的マーカーの検索に進んでいる。まず既存の臓器特異的マーカーに乏しい胃に着目し、絞り込んだ標的遺伝子1個の検証解析が順調に進行中である。また新たに3臓器のがん部・非がん部のメチロームデータを取得したため、今後の臓器横断的解析は8臓器で行えることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
胃がんの臓器特異的マーカーの検証を進める。現在検証中の1遺伝子に関しては、平成30年度中に検証を終える予定であり、他のマーカー候補遺伝子の検証も順次行う。同じく臓器特異的マーカーに乏しい膵がんのメチロームデータが加わったため、膵がんの臓器特異的マーカー探索も行う。複数臓器の臓器特異的マーカーを取得できた際には、臓器特異的マーカーとなり得る遺伝子・遺伝子座の特徴について考察する。
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Causes of Carryover |
試薬等消耗品の価格変動に伴う差額であるので、平成30年度に繰り越して消耗品費として使用予定である。
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[Journal Article] The Japanese Society of Pathology Guidelines on the handling of pathological tissue samples for genomic research: Standard operating procedures based on empirical analyses.2018
Author(s)
Kanai Y, Nishihara H, Miyagi Y, Tsuruyama T, Taguchi K, Katoh H, Takeuchi T, Gotoh M, Kuramoto J, Arai E, Ojima H, Shibuya A, Yoshida T, Akahane T, Kasajima R, Morita KI, Inazawa J, Sasaki T, Fukayama M, Oda Y.
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Journal Title
Pathology International
Volume: 68
Pages: 63-90
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Genes involved in development and differentiation are commonly methylated in cancers derived from multiple organs: A single-institutional methylome analysis using 1007 tissue specimens.2017
Author(s)
Ohara K, Arai E, Takahashi Y, Ito N, Shibuya A, Tsuta K, Kushima R, Tsuda H, Ojima H, Fujimoto H, Watanabe S, Katai H, Kinoshita T, Shibata T, Kohno T, Kanai Y.
Organizer
American Association of Cancer Reserach Annual Meeting 2017
Int'l Joint Research
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